プーチン大統領がウクライナ侵攻に至った「被害者意識」
西側諸国との融和が受け入れられず、ロシアを守るためにウクライナ侵攻に至ったプーチン大統領
飯田)プーチン氏の任期は2030年までとなりますが、今後、ウクライナはどうなると思いますか? 須田)イギリスの公共放送などがファクトチェックしていますが、米FOXニュースのキャスターだったタッカー・カールソン氏による2時間を超えるプーチン大統領へのインタビューが行われました。私はすべて観ましたが、個々の事実関係についてはツッコミどころ満載で、事実認識の誤りもあるけれど、プーチン大統領は相当、被害者意識を持っているようです。 飯田)被害者意識。 須田)一国のリーダーとして、本来であれば西側諸国と融和を進めていく方針が、もともとプーチン大統領のスタート地点だったはずです。しかし、それが受け入れられず、どんどん孤立化を進めていったという自己認識がプーチン大統領サイドの根底にあるわけです。そこで「国を守るためにはどうしたらいいのか」と考え、今回のウクライナ侵攻に至った。 飯田)ロシアを守るために。 須田)しかし、主権国家に対する一方的な侵略は国際法違反であり、絶対にやってはならない行為です。そこに踏み込んだという点でプーチン大統領が100%悪いのですが、「その思いに対してどう向き合っていくのか」を考える必要もあります。 飯田)意思を変えるようなボールの投げ方ができるのかどうかですか? 須田)「果たして強硬策一本槍でいいのか」という問題もあると思います。停戦や休戦などに持ち込んでも、プーチン大統領のこの意思がある限り、見直しはきかないのではないでしょうか。