【ぼっち・ざ・ろっく!】長谷川育美が語る!新曲の魅力♪
喜多ちゃんオススメシーン
――長谷川さん演じる喜多ちゃんのオススメシーンは? 長谷川 ライブシーンはやっぱデカいです。喜多ちゃんの努力の証となるシーンでもあるし、話数によっては挫折も味わうシーンでもあるので。レコーディングしてCD化されたものとは違う、アフレコ現場で歌ったバージョンの曲が使われていたりもするので、劇場のいい音響でその違いを聴いてもらえたら嬉しいです。 ――改めて感じる喜多ちゃんの魅力についてお聞かせください。 長谷川 最初こそ「アニメファンにはここまで陽キャなキャラクターって刺さらないかも」っていう不安があったんです。でも実は彼女ってすごい努力家だっていうのが演じているうちにすごくわかってきて。全然弾けなかったギターを一生懸命練習して、アドリブのソロができるようになるとか、そこに至るまでにはすごい練習量が必要だったはずなんです。そんな風に努力を重ねることが出来る子だっていうのは彼女の大きな魅力の一つだと思っています。それと自分の世界をちゃんと持っているのがいいですよね。人に合わせるのも上手だけど、ちゃんと自分のやりたいことはやるみたいな。いろんなことに興味をもって、純粋にそれらを楽しむことができるってやっぱりすごい才能ですし、「人生何倍も楽しくなりそうだな」ってうらやましく思っています。 ――テレビシリーズ当時のアフレコの思い出などあればお聞かせください。 長谷川 収録の座る場所がすごく面白くて、とにかくぼっち役の青山(吉能)が絶対端に座るんです。主役って普通真ん中座るんですが、1話からずっと一番奥の「ここが落ち着くの」って一番端で体育座りとかしていて。代わりに喜多ちゃんと虹夏は真ん中と、その立ち位置はなんだかキャラっぽいなって思ったりしていました。実際に喜多ちゃんを演じる際には、音響監督の藤田さんとすごく丁寧にメチャクチャ細かくディスカッションし合いながら取り組めた印象があります。あそこまで緻密に音響監督さんと話し合うことってあまりなかったりするので、すごく貴重な時間となりました。 ――喜多ちゃんを演じるのは難しかったりしたんでしょうか? 長谷川 難しかったです。とにかくみんなキャラが濃いんです。そのせいで結束バンドの4人で会話するシーンでは相手に引っ張られそうになるんですが、喜多ちゃんはみんなの言っていることに合わせた言葉を返しちゃダメなんです。ディレクションでも「喜多ちゃんは喜多ちゃんのペースがあるから、そんなに話聞かなくていい」ってよく言われていました。なので相手の言葉に反応せず、「私は私」ってペースを保っていくのが案外難しくて大変でした。ぼっちも「下向いてしゃべって」「当てないで」って言われていましたし、リョウさんもあんなだし、『ぼっち・ざ・ろっく!』会話劇で話が進むのにまともに会話しちゃいけないっていうおかしな作品だったりするんです。結束バンドなのに結束してない感じがあって、毎回「ぽいなぁ」って思いながら演じていました(笑) ――そんな喜多ちゃんですが、今では長谷川さんにとってどんな存在になっていますか? 長谷川 喜多ちゃんを通して新しい世界を見せていただいているような感じです。心の動き方もすごく新鮮で、今までにない自分の世界を広げさせてくれる子だなって思っています。彼女の感性っていう意味でもそうですし、バンドのギターボーカルも喜多ちゃん演じないと感じられないことだったし、歌唱シーンのアフレコで別録りをせずにそのまま歌うなんてこともなかなか体験できることじゃないですから。あの瞬間のアフレコブースの緊張感は完全にSTARRYだったし、そこで歌う喜多ちゃんをそのままリアルに体験したなっていう感覚がありました。 ――《結束バンド》も大ブレイクを果たし、今夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」への出演も決定しました。アニメが始まった頃にこんな未来を想定していましたか? 長谷川 全く考えてなかったですね(笑)。ちょっと前に「JAPAN JAM 2024」という野外フェスのステージに立たせてもらったんですけど、「声優やってて見られる景色じゃないな」って思ったのをよく憶えています。そんな貴重な体験させてもらえるのは『ぼっち・ざ・ろっく!』と作品と喜多ちゃんとキャラクターに巡り合えたご縁と、ファンの皆さんの応援のおかげ。そんな感謝の気持ちを胸に、できることならこれからもっともっと新しい体験をしていけたら嬉しいなって思います。 長谷川育美(はせがわいくみ) 5月31日生まれ。ラクーンドッグ。主な出演作は『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』(リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナー)、『望まぬ不死の冒険者』(シェイラ・イバル)、『葬送のフリーレン』(ユーベル)、『声優ラジオのウラオモテ』(桜並木乙女)ほか。
ライター 川畑剛