債券トレーダー、米国債相場の回復続くと予想-先週までの想定を転換
(ブルームバーグ): 債券トレーダーは、最近の米国債相場上昇が続くと見込んだポジションを取っている。トランプ次期米大統領の当選後にピークに達した利回りが、低下し続けると確信していることが示された。
4日公表されたJPモルガン・チェースの週次調査によると、同行顧客は米国債に対し中立的だったスタンスを転換し、ロングポジションを1年ぶりの高水準に引き上げた。過去2週間は、堅調な米国債入札を追い風に相場が大きく上昇していた。
こうしたセンチメントの変化は先物市場でも見て取れた。担保付翌日物調達金利(SOFR)やフェデラルファンド(FF)金利に連動する取引で、一段の金利低下によって利益を得られるポジションが新たに構築された。
2日にウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が17、18両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で追加利下げ支持に自身は傾いていると述べた後、先物取引高は急増した。スワップ市場には、同会合で0.25ポイントの利下げが決まる確率が約3分の2織り込まれている。
トランプ氏の減税・関税計画がインフレ再燃と利下げ鈍化につながるとの観測から米国債は売られていたが、市場は落ち着きつつあるとの見方が強いことが取引動向から垣間見える。
先週までは相場が再び下落基調に転じるとトレーダーは想定し、米10年国債利回りが4.75%に上昇するリスクをヘッジする動きも見られた。これは3日の利回りを約0.5ポイント上回る水準だ。
今週のリスクイベントを受け、こうした賭けが奏功する可能性も残っている。4日にパウエルFRB議長が発言する予定で、その後は6日発表の米雇用統計に焦点が移る。
原題:Bond Traders Position for US Treasury Market to Extend Rebound(抜粋)
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Edward Bolingbroke