ネットで球団批判沸騰! 大谷の2億7000万円は、やっぱり安いのか?
経営者サイドから見れば、過去の前例とチーム内バランスが2億7000万円に抑え込んだ理由としてあるのだろう。日ハムでは、5年目の2億7000万円は、ダルビッシュ有に並ぶ記録だという。ちなみに、その年のダルビッシュの成績は、25試合、200回3分の2を投げて16勝4敗、防御率1.88の成績。3年連続2桁勝利を積み上げての2億7000万円への到達だった。また、先に行われた中田翔の契約更改も、3億を突破できずに2億8000万円だった。査定担当には「チームトップが、この数字だからバランスを考えて」という常套句があるが、年功序列、チームバランスという要因もあったのかもしれない。 日ハムの場合、明確な経営方針がある。 現在、札幌ドームの移転問題が協議されているが、高額な使用料や、球場の運営、営業権を持たないため、観客動員が増えても球団の収入には限界があるため、選手の総年俸額を約25億円に抑え、そこから逆算して球団経営の青写真を描いている。そのため年俸査定も絶対評価ではなく、チーム内のバランスを考えた相対評価となる傾向が強い。 ダルビッシュは、6年連続で2桁勝利をマーク、5年連続で防御率が1点台でも、年俸は5億円止まりだった。日ハム最終年となる2011年は18勝6敗の成績を残し、契約更改をせぬままポスティングでメジャーに移籍したが、これ以上払えない球団側と、メジャー移籍を希望していたダルビッシュの両者の意向が一致しての移籍となった。高額選手を抱えるよりも若手育成に投資するという球団の経営姿勢は明確で、必然、年俸のアップも、ソフトバンクや巨人のような経営基盤に恵まれたチームの大判振る舞いとはいかない。 今回の契約更改では2億7000万円の提示額に「お金じゃない」と文句ひとつ言わなかった大谷の爽やかさだけが印象強く残ったが、そもそも論で言えば、日ハム以外の球団で二刀流が容認されただろうか。栗山監督のように、ここまでの育成や起用法ができただろうか。 もし大谷が、巨人に入団していれば、年俸は簡単に3億円を突破していただろう。しかし、メジャー移籍の時期に関しては、今回の日ハムのような理解は示さず、ひと悶着はあったと推測できる。そう考えると前述した里崎氏の持論のように球団側が「これだけしか出せない」と提示した額に、本人が納得すれば、それが適正金額であり、大谷自身の幸福論から言えば、メジャー移籍の希望が聞き入れられた日ハムは、居心地のいい球団であり、2億7000万円の額に、外野がとやかく議論する問題ではないのかもしれない。