「妹は死刑でいい」法廷で証言した実の兄 姉に対する強盗殺人に問われたホームレスの妹 失踪後の家族の生活、裁判で明らかに
■亡くなったつぐみさん「出歩かず、コツコツ貯金するタイプだった」 亡くなったつぐみさんは、高校卒業後、建設会社に勤めたあと和裁関係の会社へ。2013年から亡くなるまでは、近くの清掃会社でパート勤務をしていた。主に役所や病院の清掃を行っていたという。 兄によると、真面目で几帳面、コツコツお金を貯めるタイプで、1人でいることを好んだ。買い物に出る以外は外を出歩くこともなく、週に1度の休みには家で本を読んで過ごしていたという。 検察官 つぐみさんは外食はしていましたか? ー極力していませんでした。 検察官 無駄遣いは? ーいえ、安いやつを見つけてくる方です。 検察官 休みの日は? ー基本自宅で本を読んだり、インターネットで小説を探して読んだりしていました。 そうした暮らしぶりもあったのだろうか、つぐみさんの最近撮った写真がみあたらず、兄は葬儀を出す際、警察が持っていた「免許証の写真」を遺影にした。 検察官に葬儀を終えた時の気持ちを尋ねられると、「やるせないですよね。金のないところに入らなくてもいいのに」と、肩を落とした。 ■見つかった借用書 12日の公判では、和美被告が長年にわたり姉のつぐみさんに金を無心していた状況も明らかになった。兄の証言によると、つぐみさんから金を借りたことを示す借用書が見つかったという。額は230万円から240万円。 検察官 和美被告はつぐみさんに、子供の制服代という名目で10万とか言って借りていた? ー実際、(制服代というのは)嘘やったと、腹をかいた(怒った)、とつぐみから聞いています。 弁護人 なぜ和美被告はつぐみさんから借金したのですか? ー「友達の子どもがどーたらこーたら、私が立て替えないけんけん」という話を一回聞いたことがあります ■亡くなったつぐみさんから届いたメール 兄がつぐみさんに最後に会ったのは、亡くなる2か月ほど前の去年4月。つぐみさんから「母の体調が良くない。年内かも」とメールで連絡があり、その日の夜、兄はつぐみさんを訪ねた。 「病院代は大丈夫か。いくらか渡せるよ」と言うと、つぐみさんは「金のことは心配せんでいい。母の年金と自分の給料とで、どうにかなるから」と話したという。 きょうだいの母は、去年10月に亡くなった。 検察官から和美被告への気持ちを聞かれた兄は、質問にかぶせて即座に、意を決したように答えた。 兄「もう死刑で良いと思います。人殺すぐらいだから」 兄の言葉を、和美被告は、目の前にある机の一点をじっと見つめて聞いていた。表情が変わることはなかった。 なぜ和美被告は、家族のもとから失踪し、知人の岡村恵美被告とその家族に19年間で5800万円もの金を送金したのか。和美被告への被告人質問は、7月16日に予定されている。 RKB毎日放送 記者 浅上旺太郎
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