「妹は死刑でいい」法廷で証言した実の兄 姉に対する強盗殺人に問われたホームレスの妹 失踪後の家族の生活、裁判で明らかに
知人の女と共謀して姉を殺害し通帳などを奪ったとされ強盗殺人などの罪に問われているホームレスの妹。姉妹の兄が法廷に立ち、「死刑でいい」と証言した。 【写真で見る】姉に対する強盗殺人に問われたホームレスの妹 兄が語ったのは、妹に翻弄されてきたこれまでの家族の人生だ。 ■5人きょうだい 突然、失踪した妹 起訴状などによると、辻和美被告(52)は去年6月2日、知人の岡村恵美被告(47)と共謀して、福岡県水巻町の町営住宅で姉の辻つぐみさん(当時52)の首を圧迫して殺害し、通帳3冊と印鑑を奪った強盗殺人などの罪に問われている。12日の公判では、亡くなったつぐみさんと和美被告の兄が証人として証言台に立った。 兄は、5人きょうだいの長男。その下に、亡くなった長女のつぐみさん、次女の和美被告(52)、次男、三男(1999年に死亡)と続く。 兄や検察によると、高校卒業まで水巻町の実家に暮らしていた和美被告は、就職して福岡県外で暮らすようになった。その後結婚し、男の子と女の子を出産。 1998年に再び地元の福岡県水巻町に戻り、夫(当時)と子供2人で住んでいたという。しかし2008年、突然、和美被告の行方が分からなくなった。 ■失踪後「子供を引き取ってうちで面倒みました」 検察官 なぜ行方不明になったと思いますか。 兄 ーみんな見当がつきませんでした 検察官 被告の子供は? ー近所で浮浪児みたいになって。つぐみと私たちの母とで迎えに行きました。うちで引き取って、子供2人が高校を卒業するまで面倒をみました。当時、長男が14歳、長女が13歳でした。 検察官 あなたと母、つぐみさん、和美被告の子ども2人、の5人で暮らした? ーそうです。 検察官 主に誰が育てたんですか。 ー母とつぐみです。私は給料を渡していました。 和美被告の夫(当時)は長距離トラックの運転手で県外に出ていることがほとんどで、残されて街をさまよっていた2人の子供をつぐみさんときょうだいの母が迎えに行った。子供が住んでいた家は、家賃が滞納されたうえに、「散らかっていてすごい状況だった、と聞きました」。 行方不明になっていた和美被告は、2014年6月26日、北九州市内で保護された。迎えに行った家族が「何をしよんか」と尋ねても、和美被告は黙っていたという。その当時の状況を質問した検察官に、兄は感情をあらわにして大きな声で答えた。 検察官 その時、和美被告は、「申し訳ない」とか子供の安否を尋ねることはありましたか? ーいっさい、ありませんでした。母親も怒っていました。 検察官 そしてまた行方不明になった? ーはい