どうなる?錦織の2017年。新たに練ったランキング4位計画の行方は?
テニス界における超一流の指標である、“トップ10プレーヤー”として迎える3年目のシーズンが訪れた。 錦織圭、27歳。2017年の長き“旅=ツアー”は、今年も南半球のオーストラリア・ブリスベーンで幕を開ける。 今年の男子テニス界は、変化の1年になる可能性が高い。 長きに渡り四大大会やマスターズ1000のタイトルを独占し、“ビッグ4”と呼ばれ他とは一線を画す存在だったロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、そしてアンディ・マリーの4人の支配体制にも、ようやく揺らぎが見え始めている。フェデラーは昨年2月上旬に膝を手術し、シーズン後半を欠場し今季にかける策を取った。ナダルも手首などのケガにより、全仏オープンをはじめとする複数の大きな大会を犠牲にした。また、昨年の全仏を制し悲願のキャリアグランドスラムを達成したジョコビッチは、大願成就後の虚脱感からか、以降は苦しい戦いが続く。 それら悩みを抱えるライバルたちを抜き去り悲願の世界1位の座についたのが、長くジョコビッチらの後塵を拝してきたマリー。そして新たな一大勢力として彼らの背を追うのが、3位のミロシュ・ラオニッチ、5位の錦織圭、さらには6位のマリン・チリッチら、現在26~27歳の一群である。現在のトップ10の顔ぶれを昨年の今と比べれば、ラオニッチやチリッチを含む4人が入れ替わりで参入し、その中には23歳のドミニク・ティームという新顔も居る。 その一方で、リハビリと猛烈なトレーニングにより今季復帰を果たす35歳のフェデラーが、今年のテニス界が進む先の舵を握っているとも言えるだろう。昨夏は出場を切望していたリオ・オリンピックを休むという苦渋の決断を下したが、その対価として「例年以上に充実した新シーズンの準備期間を得られた」というかつての絶対王者が、再び上位に返り咲く可能性も大いにある。 そのように流動的な2017年シーズンは、第二集団のトップに付け、虎視眈々と追い抜きを狙う錦織にとってもターニングポイントとなる可能性が高い。 昨年あと一歩届かなかったマスターズ1000優勝を今季の標的に掲げ、そこを足掛かりに次のステージを目指す彼が、まず目指すのがランキング4位以内に入ることだ。 テニスの世界において、ランキング4位と5位は単なる1差以上の意味を持つ。4位以内に入れば四大大会やマスターズでも第4以上のシードが付き、そうなれば準決勝まで、現在のテニス界を支配するマリーとジョコビッチに当たらずに済むからだ。その状況を踏まえ錦織は、「5位か4位かはとても大きな違いなので、全仏オープンかウィンブルドンまでには4位に入りたい」と今季スタートダッシュを胸に誓った。そしてその当面の目標到達のために鍵を握ってくるのが、過去4年間とは変えてきた、今季序盤のスケジュールである。