どうなる?錦織の2017年。新たに練ったランキング4位計画の行方は?
錦織は例年、全豪オープンを終えた後の2月は北中米のハードコート大会に出場し、第一四半期最大の山場である3月のインディアンウェルズとマイアミのマスターズ2大会に備えてきた。しかし今年の2月は、ブエノスアイレス、そしてリオデジャネイロという南米のクレー(土)コート2大会に向かうことを選び取った。 錦織がこれまで出場してきた2月のメンフィス大会は、4連覇中という実に相性の良い大会だ。ただ昨年は、インドア大会の極寒のメンフィスから標高の高いメキシコ・アカプルコへと移り、環境やボールの飛び具合の変化に苦しんだ経緯があった。またクレーコートは、錦織が0.718のキャリア最高勝率を残しているサーフェスでもある。だからこそ「メンフィスに出ないのは寂しい思いもありますし、難しい判断」との迷いもあったうえで、「クレーで今まで活躍できているだけに、ここでポイントを取りに行く」道を彼は選んだ。 昨年の2月はメンフィスの優勝とアカプルコの2回戦敗退で計295ポイントを手にしたが、今年は特にリオで上位進出を果たすことで、それ以上のポイント獲得を狙っている。そうしてリオの後はフロリダで一週間練習を積み、そこから北米マスターズシリーズへと挑むのが、今季の錦織序盤戦のスケジュールである。 この時期に、狙い通りポイントを上乗せし4位以上に入ることが出来れば、マスターズやグランドスラムでのベスト4以上進出の確率が高くなる。ベスト4に常時残れれば、当然、優勝の可能性も見えてくる。 超一流の、さらにその先へと続く道のとば口は、2月の南米の赤土から始まっていく。 (文責・内田暁/スポーツライター)