韓国高捜庁、大統領公邸前で警護庁と協議 検事ら建物内部に入れず
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布をめぐり、尹氏を内乱などの容疑で捜査している高官犯罪捜査庁(高捜庁)の検事ら数十人が3日早朝、尹氏を逮捕するため大統領公邸の敷地内に入った。 【写真まとめ】韓国・尹錫悦大統領を逮捕へ 聯合ニュースなどによると、検事らは尹氏の周囲を守る大統領警護庁の職員らと公邸の建物の前で協議を続けているという。午前9時の時点で、建物の内部まで入ることができていない。聯合は「公邸内に入るまでは長時間の対峙(たいじ)が避けられないようだ」と伝えた。 韓国の国会は2024年12月14日、戒厳令の宣布は違憲だとして尹氏に対する弾劾訴追案を可決。尹氏は大統領の職務停止となった。だが、身辺警護などの特権は保持し、ソウル中心部に近い大統領公邸で生活している。逮捕状の執行に対して大統領警護庁の職員らが抵抗し、衝突が起きる懸念も報じられていた。 公邸の周辺には、逮捕に反対する尹氏の支持者らが3日早朝から集結して警官らと対峙。騒然とした雰囲気になっている。韓国のニュース専門テレビ「YTN」によると、約2800人の警察関係者が公邸周辺に投入された。 韓国の現職大統領が逮捕されれば史上初めて。大統領は憲法で不訴追特権が保障されているが、内乱罪は例外となっている。 高捜庁は尹氏が3度にわたる出頭要請に応じなかったため24年12月30日、逮捕状請求に踏み切った。裁判所は同31日、尹氏に対する逮捕状を発付した。逮捕状の執行期限は25年1月6日まで。【ソウル日下部元美】