公務員の友人が「3万円」を差額支給で振り込まれたそうです。正直「うらやましい」と思うのですが、何の差額なのでしょうか?
「安定していてうらやましい」「税金で給料をもらっている」など、何かと話題にされがちな公務員。差額支給で3万円振り込まれたと聞くと、「うらやましい」という気持ちにもなる人もいるでしょう。本記事では、公務員の「差額支給」の仕組みや、調査から決定までの流れについて解説します。
公務員の差額支給とは?
「差額支給」とは、国家公務員の給与水準が民間水準に比べて少ない場合に、年度の4月分からさかのぼって12月頃にまとめて支給することをいいます。 当該年度4月分の民間給与と国家公務員給与を調査して比較し、例年8月頃に勧告が公表されます。調査の結果、民間給与の水準より低ければ差額支給され、高ければ差額が回収されます。 2023年度は平均月例給が0.96%アップし、平均3869円のベースアップとなりました。2020年度と2021年度は民間給与の水準よりも高かったとして、期末手当(冬季ボーナス)から回収されました。 2023年度は月例給だけでなく、初任給も見直されました。そのほか、在宅勤務を取り入れた柔軟な働き方に対応できるよう、在宅勤務手当が新設されるなど新しい動きもありました。月例給与の見直しによって、時間外手当、休日手当、地域手当、期末手当、勤勉手当などの額も変動します。
民間との差額を調査する方法を解説
民間給与水準との差額の調査はどのようにして行われるのでしょうか。調査対象の民間企業は、企業規模50人以上の約5万8800事業所の中から無作為に約1万1900事業所を抽出して行われます。調査では緻密に比較できるよう「ラスパイレス比較」という方法が用いられています(図表1)。 比較対象になる公務員は、国家公務員59万人のうち、一般職の中でも給与法適用職員である28万2000人です。給与決定の要因になりうる役職、勤務地域、学歴、年齢別に細かく分類し、それらに該当する階層の国家公務員数をかけ合わせて給与の総支払額を算出します。 つまり国家公務員の年齢や階層が同様の人数構成である民間企業があったときに、給与の総支払額と平均額が民間給与と比べてどうかを比較します。 図表1