【毎日書評】世帯年収1000万円なのに…全然ラクじゃないのはなぜ?節約だけにとらわれないで
働く期間を延ばす
老後の貯蓄額を増やすという観点では、働く期間を延ばすことでも一定の効果を見込めるはず。 会社員の場合は再雇用や雇用継続などで60代後半や70代まで働くとか、それが叶わない場合や再雇用の満了以降はアルバイトなどをして一定の収入を得ることができれば、定年退職を機に給与収入がゼロになることを防げます。その結果、経済的にも精神的にも安定感が得られるわけです。 一方、自営業の場合は自分で引退時期を決めることが可能。そのため、たとえば引退時期を5年延ばすことで家計を改善できたりすることもできるということ。 いずれにしても、将来の年金の給付率低下や支給開始年齢の引き上げなどのリスクに備えることが重要。そのため、現況の家計にかかわらず、老後の収入増に向けた手立てをいまから考えておくことが大切だということです。(177ページより) 住宅、教育、生活費用などの支出について概観するだけではなく、「クレヨンしんちゃん」の野原家など、国民的キャラクターをモチーフにして1000万円世帯の支出を試算するなどのユニークな試みも。暮らしを少しでも楽にするために、ぜひとも参考にしておきたい一冊だといえます。 >>Kindle unlimited、99円で2カ月読み放題キャンペーン中! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 新潮新書
印南敦史