【毎日書評】世帯年収1000万円なのに…全然ラクじゃないのはなぜ?節約だけにとらわれないで
支出対策:まずは固定費の削減を
支出についてのポイントは、毎月の生活費を減らすこと。月々の支出を長期間にわたって少しでも減らせれば、大きな改善につながる可能性があるわけです。 まず検討したいのが固定費の削減です。一度見直せば、その後ずっと節約効果が続きます。 生命保険や自動車保険、携帯電話、インターネットの料金プラン、電気やガスの契約先やプラン見直し、不要なサブスクリプションの解約などは、期待できる節約効果は月数百円~数千円ですが、年間にすると数万円以上になることもあります。(174~175ページより) 住宅ローンやマイカー費用、子どもの教育費などは生活や人生プランへの影響度が高く、削減には手間と時間もかかります。そこで、まずは取り組みやすいものから節約の成功体験を重ねていくべき。そうすれば、おのずとモチベーションも高まるというわけです。 なお、年収1000万円前後の世帯の無駄遣いについては、「“自分たちは高所得世帯だから”と油断して、生活水準を下げられないために貯金ができないのだ」という論調のネット記事などを目にすることがあります。 しかし著者は、そのような例は世間でいわれるほど多くないと感じているそう。「すでに節約に取り組んでいるにもかかわらずたまらない」とか、「子育てや共働きの生活上やむを得ずかかる支出が家計を圧迫している」という人のほうが多いというのです。 もちろん家計が苦しい状態が長く続くようなら、いずれはなにかを削らなければならないかもしれません。しかし、負担の原因が必要不可欠な出費である場合、「無駄遣いを減らす」「とにかく節約する」という考え方だけでは根本的には解決しないこともあるようです。だからこそ、少しでもいいから月々の支出を長期的に減らすべきなのでしょう。(174ページより)
収入対策:世帯年収を上げるために注意すること
出ていくお金を減らすとともに効果的なのが、入ってくるお金を増やすこと。たとえば昇給や転職などで収入を増やすことができれば、その効果を望めるわけです。とはいえそれは経済や勤務先の状況によるところが大きいため、個人の力では変えることが難しいのも事実。 残業を増やすものひとつの手段ではあるでしょうが、収入が上がっても労働時間が増えれば心身への負荷も高まります。しかも子育て世帯では、育児・家事との両立がますます困難になってしまうことも考えられます。したがって、そう簡単に実現できることではないでしょう。 しかし、もし勤務先で認められるのであれば副業を始めるとか、世帯収入を上げるために共働きをするなどという方法もあるはず。 ただし共働きと子育ての両立は決して楽ではないので、「共働きのための出費」が増える可能性も。また収入増によって諸制度の所得制限に引っかかったり、不要から外れて税金や社会保険料の負担がかえって増すこともあるので注意したいところです(2023年10月以降、社会保険加入による手取り収入減への対応策もあるそう)。(176ページより)