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多様な"みどり"が、人と人・人と暮らしの未来を紡ぐ。『全国都市緑化かわさきフェア』開催

提供:川崎市

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みんなでつくる! 都市部の中の“みどり”

2024年7月1日に市制100周年を迎えた川崎市。その川崎市で、今秋と来春の2期にわたり開催されるのが、「全国都市緑化かわさきフェア」だ。みどりの大切さを知るとともに、みどりを守り、みどりがもたらす"快適で豊かな暮らし"があるまちづくりを進めるイベントを、行政だけではなく、市民や企業などの"多様な主体"が一体となって進めている。「全国都市緑化かわさきフェア」をきっかけに、川崎で行われている"みどりのまちづくり"の取り組みを紹介する。

みどりで、つなげる。みんなが、つながる。「全国都市緑化かわさきフェア」

コア会場の1つ、等々力緑地の正面広場には、子どもたちが育成や植え付けをした花畑が来場者をお出迎え

毎年、全国各地で開催されている国内最大級の花と緑の祭典「全国都市緑化フェア」。41回目となる今回は、市制100周年を迎えた川崎市で、全国初となる今秋と来春の2期にわたり「全国都市緑化かわさきフェア」(以下、かわさきフェア)として開催される。
キャッチフレーズは「みどりで、つなげる。みんなが、つながる」。そこには「かわさきフェア」をきっかけに、日常の暮らしの中にみどりが溶け込み、みどりを通して、人と人、人と暮らしが緩やかにつながることで、心豊かな暮らしを生み出していきたい――そんな思いが込められている。
「かわさきフェア」は、市内の代表的な3つの公園「富士見公園」、「等々力緑地」、「生田緑地」のコア会場を中心に、駅周辺や商業施設など、まちのいろいろな場所で展開。富士見公園は「多様性×みどり」、等々力緑地は「体験・体感×みどり」、生田緑地は「歴史・文化×みどり」と、それぞれ独自のコンセプトが設けられている。かわさきというまちの歴史や資源、強みを生かした仕掛けがなされており、会場ごとにいろいろな"みどり"が楽しめる。

今回の「かわさきフェア」の大きな特徴は、"多様な主体"が一体となって取り組みを進めている点だ。行政だけではなく、市民や企業などが主体となって、都市部の中にさまざまな"みどり"をつくり出している。

市内の学生や地域団体が「かわさきフェア」を盛り上げ、"みどりのまちづくり"を支える

市内の高校生やボランティア団体の大学生が集まり、川崎市職員や専門家の指導のもと、都市部の中で花壇づくりを楽しんだ

JR川崎駅からコア会場の1つである富士見公園に向かう途中にある花壇で花植えを行っている人たちの姿が見られた。彼らは「かわさきフェア」に向けた植栽活動に参加した市内の高校生や、学生を中心とした地域団体(カワハル企画部、まちびらき隊)のメンバーたち。

「『かわさきフェア』に来場する方々に、『川崎ってきれいなまちだな』と思ってもらえるよう、少しでも貢献したいと思い参加しました」(県立大師高等学校の生徒)
「花や植物に興味があったので、初めてだったけど参加しました。今回の『かわさきフェア』をきっかけに、川崎がみどりいっぱいのまちになるよう、つないでいけたらいいな」(市立川崎高等学校の生徒)
「富士見公園に向かう人たちだけでなく、普段からたくさんの人が通る道なので、たくさんの花を毎日見て、『きれいだな』と思ってもらえたら」(県立川崎高等学校の生徒)

こうした植栽活動は、富士見公園前だけでなく市内のいたるところで進められている。来場者への"おもてなし"の気持ちだけでなく、「みんなで『かわさきフェア』を盛り上げ、川崎を"いいまち"にしていきたい」という学生たちの意気込みも感じられる。

「同世代の若い人たちがまちづくりの活動に興味を持ってもらうきっかけにできたら。世代を超えていろんな人たちと関わっていける元気なまちにしていきたいです」(カワハル企画部・竹端晴菜さん)
「川崎をもっときれいで明るく、たくさんの人が楽しめるまちにしていきたい。そのために地域の人のつながりをつくるのはもちろん、美化活動にも積極的に参加していきたいです」(まちびらき隊・小茂田美優さん)
「みどりをきっかけにして、いろんな人たちがつながっていけるまちになったらいいですよね」(まちびらき隊・田中連恩さん)

県立川崎高等学校ボランティア部の卒業生が運営する「カワハル企画部」代表の竹端晴菜さん(左)と、メンバーの家木雄大さん(右)

「子どもが自主的に企画し、開催する美化緑化活動を推進する」ことを目的に掲げる、「まちびらき隊」のメンバー。中・高生、大学生など若い人が多数参加

学生たちの取り組みは植栽活動以外にも。市立川崎総合科学高等学校では、建設工学科の生徒たちが川崎市役所前に設置する「ふらっとスペース」の制作を行った。「ふらっとスペース」には、日陰をつくる木製のパーゴラをはじめ、椅子やテーブルなどが設置されており、誰もが気軽に"ふらっと"利用できる、いわば市民の憩いの場だ。

この取り組みは、「『地域・社会に貢献する』をテーマにした課題研究の授業の一環で始めました。僕はフォトスポットを担当し、コンセプトからデザインまで全て考えました。自分の作品をたくさんの人が使っているところを想像しながら楽しんでつくることができましたし、川崎をより良いまちにするためのお手伝いができているのが嬉しいです」(鈴木優輝さん)
「僕が担当したテーブルと椅子は、真上から見ると市章の形になるようにデザインしました。単に使いやすいだけでなく、市や学校のPRにもつながったらいいなと思いながらアイデアを考えるのは楽しかったです。このような大きなイベントに参加できるのは貴重な経験になりますし、新型コロナウイルス感染症の影響で地域のつながりが少し薄くなったと感じているので、『かわさきフェア』を契機に川崎がさらに賑わい、楽しいまちになったらいいなと思います」(芥田流清さん)

「ふらっとスペース」の完成予想模型

「かわさきフェア」での設置に向けて着々と施工が進む「ふらっとスペース」(2024年10月上旬時点)

「川崎市民・地域のつながりを高める一助に」と、鈴木優輝さん(右)・芥田流清さん(左)

かわさきのいろんな"みどり"を体験・体感

「かわさきフェア」開催の準備にあたり、親子で花壇づくりに参加

コア会場の1つで、「体験・体感×みどり」をコンセプトにしている等々力緑地。敷地内には、日本プロサッカーJ1リーグで活躍している川崎フロンターレの本拠地である「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu」などの運動施設が充実しており、ランニングなどで体を動かす人たちも多く見られる。

「スポーツやアクティビティを中心としたさまざまな「体験・体感」の場をつくり、広々とした会場内でみどりを身近に感じながら自由な時間を過ごしてもらいたいと思い、『体験・体感×みどり』というコンセプトを考えました」と話すのは、川崎市役所建設緑政局 緑化フェア推進室の清田陽助さん。

コンセプトを具現化するためのコンテンツの企画は、市内の大学生や賛同企業の協力のもと、産官学の連携により進められた。会場の目玉の1つが、メインガーデン「ACTIVE GARDEN」に広がる"五感"を使ってみどりを楽しむエリア。大学生と企業のデザインワークショップを通じて誕生したもので、"視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚"を使って楽しむ40以上の仕掛けがあり、参加者は "みどりに親しむための体験・体感"ができる。例えば嗅覚エリアでは、ガーデンを散策しながらさまざまな香りの中からお気に入りの香りを探したり、聴覚エリアでは竹材などの"みどりの素材"を生かした木琴や打楽器を演奏したりすることが可能だ。また、視覚エリアでは普段は見えない土の中にびっしり生える植物の根っこを見ることができるなど、日頃できない体験・体感がちりばめられている。
「人によって興味の矛先は違うと思いますので、40の仕掛けの中から1つでも自分の好きなものを見つけてもらえたら嬉しいですね」(清田さん)

「かわさきフェア」開幕日初日、多くの来場者で賑わうメインガーデン「ACTIVE GARDEN」

来場者をお迎えする正面広場では、会場を彩る花々を木製パレットに植え付けてもらう、花壇づくりイベントも開かれた。植栽は小さな子どもや植栽初心者でも簡単にできることから、親子での参加も多かったという。
「等々力緑地で、よく一緒に遊んでいた保育園のお友だち家族と参加しました。子どもたちは4月から別々の小学校に進むので、何か思い出に残ることをしたいと考えていたので、すごくいい機会になりました。植えたお花を見に、またみんなで『かわさきフェア』に来たいと思っています」(友人親子と参加した女性)

木製のパレットは、積み方を変えることで空間に多彩な色合いや立体感を出すことができる。また、「かわさきフェア」が終わった後も、別の場所にパレットを運んで飾ったり、販売したりすることも可能だ。
「こうしたエコなものを使って空間づくりをしているところも、今後の都市緑化を考えるうえでは新しい取り組みだと考えています」(清田さん)

川崎市建設緑政局 緑化フェア推進室の清田陽助さん

先駆的な緑化技術はもちろん、"人の温かさ"も感じてほしい

福田紀彦川崎市長

「みどりで、つなげる。みんなが、つながる」をテーマに、3つのコア会場を中心にしながら市内の駅周辺や商業施設など、まちのさまざまな場所でみどりを楽しむことができる「かわさきフェア」。各会場では、いろいろな"みどり"のイベントやコンテンツを楽しめるだけではなく、みどりに関するさまざまな先進技術も展示されている。福田紀彦川崎市長は、次のように話す。

「会場では、垂直花壇や、花々が水面を彩るウオーターガーデンなど、先駆的な緑化技術を活用した展示を見ることもできます。また、川崎駅から富士見公園までのアクセスルートである川崎ハローブリッジでは、全国で初めて横断歩道橋に芝生の植栽を実施しましたので、ぜひそうした取り組みも見ていただきたいですね。市内全ての小・中学校などの児童や生徒が育てた花が、会場やまちの中に飾られるなど、多くの方が開催に向けて準備をしてくれました。来場者の皆さんには、『都市の中でのみどりの価値』、『新しいみどりの可能性』を、発見できるフェアにしていきたい。そして、2024年に市制100周年を迎えた川崎が、『100年目から始まるみどりを生かしたまちづくり』を体験・体感してほしい」

川崎市では、「Colors,Future! いろいろって、未来。」をブランドメッセージとして掲げ、さまざまな取り組みを進めている。市制100周年記念事業を象徴する「全国都市緑化かわさきフェア」も、まさに川崎の多様性や多彩な魅力を未来につなげながら、みどりを身近に感じるための貴重な機会になっている。川崎市はこれからも市民や企業など"多様な主体"が一体となり、101年目以降も、新しい魅力や価値を生み出す"まちづくり"を進めていく。