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滑らなくても存分に楽しめるスノーリゾート【長野県・白馬村】5つの「満喫プラン」でこの冬は"白馬"で遊び倒そう

提供:白馬村観光局

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白馬の山々を間近に望める名所、白馬大橋にて

長野県北西部に位置する白馬村。3,000m級の山々が背後にそびえる村は、古くからスキー・スノーボードが盛んだ。その名が国内外に広く知れ渡ったのは、1998年に開催された長野五輪によるところが大きい。見る人の心を掴んで離さない日本離れした山岳景観、日本海から北アルプスを越えて降る上質な雪と豊富な積雪量、バラエティ豊かなスキー場といった要因によって、とくに2010年代に入ってからは、海外からも多く人が訪れている。

冬の白馬はスキー・スノーボード、という印象が強いが、ここ最近は滑らなくても楽しめるプランが増えてきた。その代表格が、白馬岩岳スノーフィールドの山頂に建つ「ハクバマウンテン ハーバー」だ。これまでは山頂へ登れるスキー・スノーボード愛好者だけが知っていた美しい山岳景観を、誰もが楽しめる施設が登場してから、白馬村での冬の楽しみ方の潮目が変わりつつある。

そこで、スキーやスノーボードをしなくても、冬の白馬村が楽しめるプランをいくつか紹介しよう。

■1.ショップを巡ってアウトドア気分を満喫

アウトドアフィールドが広がる白馬村にはアウトドアブランドの直営店がいくつもあり、今では有名アウトドアストアを目的に訪れる人もいるほど、観光スポットのひとつになっている。

JR白馬駅から歩いて5分もかからない場所にあるのが、「パタゴニア白馬/アウトレット」だ。このエリアにアウトドアショップを根付かせた最初の店舗は2013年にオープン。大きなガラス窓は外から店内の様子がよく見えるだけでなく、店内からは北アルプスの山々が望める。その店内には現行シーズンの製品とアウトレット製品が並び、サイズやカラー展開も豊富。場所柄からスキーやスノーボードが好きなスタッフが揃っており、フィールドやアクティビティへの造詣も深い。この時も、気さくなスタッフから滑らなくても楽しめるポイントを教えてもらえるなど、積極的にコミュニケーションを図ると楽しみ方が広がりそうだ。

なにげない会話をきっかけに美味しい食事処や絶景スポットなどを聞いてみよう

「ザ・ノース・フェイス グラビティ ハクバ」は、アメリカ・カルフォルニアの国立公園ビジターセンターをイメージした形態。1階にはハイエンドラインのサミットシリーズをはじめ、普段から使えるパープルレーベルやウィメンズ・キッズラインを数多く取り揃えている。2階は白馬三山が望めるカフェを併設し、自然やアウトドアをテーマにした書籍は誰でも閲覧可能。2階に設置する「FIELD INFORMATION DESK」では、白馬周辺のフィールドやアクティビティの情報、道具のアドバイスなど、1年を通じて白馬の魅力や遊び方を発信している。インフォメーションボードには「ヤマテン」による白馬岳山頂の気象状況やフィールドの今の状況がリアルタイムで分かるようになっており、スタッフも白馬に精通した人ばかりなので、様々なアドバイスがもらえる。

手前に見えるのが「FIELD INFORMATION DESK」。フィールドの様々な情報がボードに記載されている。座り心地のいいチェアから山を見ながらお茶を飲んで過ごすのもいい

2020年春にオープンした「スノーピークランドステーション白馬」は、木材を活用した外観が特徴的。ここは建築家・隈研吾氏が設計を手掛けたことでも有名だ。国内最大規模のスノーピーク直営店をはじめ、レストラン、キャンプ宿泊施設、白馬村観光局のインフォメーションデスクなどが揃った複合施設になっている。白馬村を訪れたら、まずはここで情報収集をするのもいい。直営店には定番となっている焚火台をはじめとしたキャンプグッズがずらりと並び、自宅でも使いやすいクッキングアイテムやアパレルなども充実。併設するスターバックスで飲み物を買って、景色を眺めながらくつろぎ、気ままにウインドショッピングするのも楽しい。

ショッピングの合間に美しい景色を見ながらくつろげるのもいい

●施設情報
・パタゴニア白馬/アウトレット
〒399-9301 北安曇郡白馬村北城6389-1
・THE NORTH FACE GRAVITY HAKUBA(ザ・ノース・フェイス グラビティ ハクバ)
〒399-9301 北安曇郡白馬村大字北城5930-1
・スノーピークランドステーション白馬店
〒399-9301 北安曇郡白馬村大字北城5497

■2.白馬指折りのカフェでお腹を満たしてひと休み

白馬村は食べる場所に事欠かないほど飲食店が豊富にある。信州名物の蕎麦をはじめ、寿司、中華、和食、焼肉、洋食、ラーメン等。カバーするジャンルは枚挙に暇がない。それらは駅前や国道沿い、スキー場周辺など各所に点在しているのも特徴だ。今回は、その中でもお土産ショップや飲食店が集まっているエコーランドにある「Sounds Like Cafe(サウンズライクカフェ)」へ立ち寄った。

エコーランドのメインストリート沿いにある店舗は、白馬村の中でもとくに人気の高いカフェ。その秘訣は美味しいコーヒーとボリューム満点のバーガーやサンドイッチだ。オーナーの中尾和也さんはコーヒー文化が根付いているオーストラリアのカフェでノウハウを学んできた。メニューにあるロングブラックやフラットホワイトをはじめとしたコーヒー類はオーストラリア仕込み。豆は自家焙煎しており、ニュージーランドをはじめ、南半球からやって来る観光客からも馴染みあるメニューが揃っているとあって大人気だ。

ボリュームあるフードメニューだからお互いに交換しあって味わえる

フードメニューの、フワフワのバンズにジューシーな鶏肉や牛肉を挟んだバーガーはボリューム満点。変わり種ではプルドポークのサンドイッチが美味。プルドポークとは北米ではポピュラーな料理で、豚肉を甘辛いバーベキューソースで味付けして煮込んだもの。柔らかな肉と絡み合ったソースが絶品で、バーガーよりもサイズが小さいため、少食派にもオススメ。また、ランチメニューの他に、ケーキやパイなども豊富に揃っているため、小腹を満たすのにもちょうどいい。

ナチュラルな素材を使った店内は白馬村在住の外国人客も多く訪れ、まるで海外のような雰囲気が味わえる。国際的に開かれた村らしさを体感するにもピッタリのカフェだ。

好みの飲食店を巡りながら、白馬村で行きつけの店を開拓するのも楽しみのひとつだ。

●施設情報
Sounds Like Café
〒399-9301 北安曇郡白馬村北城 3020-504

■3.陽が落ちた雪の森は昼間とは別世界が広がる

麓の街、スキー場で働く圧雪車や降雪機、ナイター照明など街とは異なる夜景が楽しめる

雪の上を歩くスノーシューは、雪を体験できる最もポピュラーなスノーアクティビティのひとつ。真っ白な雪原や森を歩くと、澄み切った空気や自然の美しさに触れられ、五感全てで雪を感じられるのが魅力だ。とくにスノーシューは年齢や体力、経験を問わないため、誰でも体感できるのが大きなメリット。平坦な道のりを歩くコースや起伏ある山の斜面を上り下りするコースまで様々なコース取りが可能だ。

白馬村の各スキー場やアウトドアガイドではいくつものツアーを用意しているが、ここでは趣向を変えた夜のスノーシューハイキングに参加してみた。月明かりに照らされた雪面を歩き、白馬村を一望できる丘まで行く、行動時間は約1時間半のツアーだ。

場所は白馬村の北にある小谷村の境にある落倉高原。なだらかな地形と森があるため、初級者ツアーに適した場所だ。冷え込む夜にあわせて暖かい格好をして集合場所へ行くと、スノーシューとストック、ヘッドライトが準備されていた。全く初めてでもガイドツアーだから、スノーシューの履き方や歩き方をレクチャーしてもらえる。

さっそくガイドの後ろをついて雪の上に立つと、サクサクという雪を踏みしめる足音が辺りに響き渡る。自分たちが歩く音しか聞こえない。ヘッドライトで照らした先は銀世界、その周りは薄暗い中に雪をまとった木々が立っている。非日常的な雰囲気に気分は高揚しっぱなしだ。

30分ほど平坦な森の中を歩くと目的地に到着。薄曇の夜空からは薄っすらと月明が漏れている。眼下には所々に明かりが灯る白馬村の街、少し目線を上げると奥には八方尾根スキー場で動く降雪機や圧雪車両の照明が見える。月明かりに照らされれば、右手には北アルプスの峰々を見ることもできるらしい。体を冷やさないよう温かいドリンクを飲みながら、スノーシューでしか来ることができない展望スポットの景色を存分に堪能した。

写真には写らなかったが、いくつもの星が頭上で瞬いていた

帰り道、光量の少ない森の中で、頭上を見上げると、行く時には陰って見えなかった星空が少しだけ広がっていた。ナイトスノーシューツアー、病みつきになりそうな面白さだ。

●施設情報
NPO法人落倉バックカントリーフィールド
〒399-9301 北安曇郡白馬村北城14920-61(白馬グレイスランド内)

■4.今どきのスキー場は、滑らない人も等しく楽しめる

白馬村には5つのスキー場があるが、今回は滑らなくても楽しめる施設が整っている白馬岩岳スノーフィールドへ足を運んだ。

ここは、村内にあるスキー場では珍しい標高1,289mの独立峰にあるスキー場。ほかのスキー場は北アルプスの主峰から延びた山域にスキー場が位置するが、岩岳はそれらから独立しているため、独特な景観が楽しめる。高い山々に囲まれた岩岳はまるでぽっかりと浮かんだ小島のようで、山頂から見渡す山々の大パノラマは絶景。白馬村にあるスキー場では唯一西側にそびえる山々を真正面から仰ぎ見られるとあって、リピーターも多い。

そんな山頂へはゴンドラ1本で行ける。滑らない人にとってはゲレンデを歩くのも大変だが、ここではスノーシューズのレンタルも用意されているから安心。15分ほどの空中散歩を楽しむと、山頂へ到着。スキー場とあって周りはスキーやスノーボードを持った人ばかりだが、その中にちらほらと滑らない人もいるから少し安堵感がある。

別世界へ誘うようなハクバマウンテンハーバーのゲート。焼き立てのパンや珈琲を提供する「THE CITY BAKERY」を併設

左手側に広がる白馬村を片目にやりながら、さっそく北アルプスの絶景が一望できる山頂テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(ハクバマウンテンハーバー)」へ。通年で営業しているこの施設は1年を通して白馬の四季が楽しめる。とくに冬場は、凍てつく空気のおかげで視界がくっきりとし、晴れた日には青空と雪に覆われた山並みのコントラストには言葉を失うほど。少し突き出たテラスに躍り出ると、浮かんでいるような気分に浸れる。海外を思わせる猛々しい冬の北アルプスの景色を余すところなく噛み締めたい。テラスの手前には温かいイートインスペースもあるため、寒くなってもすぐに中に入れるのも嬉しい。建物のすぐ脇には夏場に大人気のブランコ「ヤッホー!スウィング」が冬の装いで佇んでいるから、真っ白な山に向かって漕ぎ出し、浮遊感を楽しもう。

テラスからは全方位に渡って雄大な山々が眺められる

青空と雪山に向かって漕ぎ出すブランコはここでしかできない体験

もうひとつ、2021年秋に誕生した「白馬ヒトトキノモリ」にも立ち寄ろう。ここは山頂部からリフトで少し下がった場所にあり、白馬村の田園風景と北アルプスを一望できるエリア。信州初出店となる「CHAVATY HAKUBA(チャバティ白馬)」でティーラテとスコーンを頬張りながら、ピクニックタイムが楽しめる。

三角形の天井が特徴的な「CHAVATY HAKUBA(チャバティ白馬)」

とくにクロモジを使ったスコーンは爽やかで香りが高く人気メニュー。白馬店のオリジナルメニューと聞けば注目しないわけにはいかない。山頂とはまた違った視点から眺められる景観を十二分に満喫しよう。

●施設情報
HAKUBA IWATAKE SNOW FIELD
白馬岩岳スノーフィールド
〒399-9301 北安曇郡白馬村北城12056

■5.白馬は映えスポットの宝庫。キーワードは川

東西を山に囲まれた白馬村は、あらゆる角度から3,000m近い標高の山々を眺められる。その時、その場所でしか見られない景観もあるから、自分だけのスポットを探して回るのも面白い。なかでも、ベストポジションとして知られる2カ所をここでは伝えよう。キーワードは川だ。

季節を問わず白馬大橋から白馬三山を眺める人は多い

ひとつはアマチュアカメラマンが多く訪れる白馬大橋。白馬三山を正面に望み、その山々から流れる松川と山のコントラストが美しい。目の前に迫ってくるような山並みは迫力満点だ。とくに北アルプスの山々は西側にそびえているため、朝の光を浴びた姿の神々しさは別格。モルゲンロートに染まった山々を写真に収めようと、冬の早朝にも関わらず多くの人が橋に集う光景を目にすることができる。

もう1カ所は、大出地区を流れる姫川からの景観。大出地区には昔ながらの茅葺屋根の家屋や吊橋があり、その奥に広がる山並み、手前を流れる姫川と、3つの要素が折り重なって、日本の原風景とも言える雰囲気を醸し出している。ここも1年を通じて人気の撮影スポットだ。

真冬は雪に覆われた白銀の世界を演出し、春の残雪期になれば、桜と雪山を同時に楽しむことができる。とくに白馬三山に夕陽が沈んでいく光景は圧巻の一言。温かい飲み物をテイクアウトして、のんびりといつまでも眺めていたい。

川べりを歩いて散策することもできる

滑る人も滑らない人も等しく、見て遊べる場所がいくつもある白馬村は、1年を通して大自然を気軽に感じられる。一面に広がる銀世界をまだ見たことがない人は、この冬こそ足を運んだほうがいい。