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アマチュアが打っても激スピン フォーティーン「FRZ」を使ってギア好きゴルファー3人がスピン勝負してみた

提供:フォーティーン

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グリーンにボールが着弾してから、ギュギュッとバックスピンが掛かってボールが戻ってくる。そんなウェッジショットに憧れているゴルファーも多いはずです。フォーティーンが2024年9月6日に発売した新作ウェッジ「FRZ」は、ルールに適合した上で、スピン性能を最大限に高めた"新境地のスピンウェッジ"とのこと。そこでアマチュア3人が試打して、どれくらいスピンが入るのかを確かめました。

激スピンはフォーティーン「MT-28」から始まった

フォーティーン FRZ[写真:角田慎太郎]

「ウェッジといえば、フォーティーン」。ゴルフ経験の長い人なら、上の句と下の句の詠み合わせのように、はたまた一種の呪文のように、このフレーズに聞きなじみがあるはずです。

群馬県高崎市に本拠地を置く国内メーカーのフォーティーンが、ゴルファーから一躍注目されて人気になったのは、2001年に発売された激スピンウェッジ「MT-28」が発端になっています。

「ウェッジといえば、フォーティーン」というブランドイメージを確立した激スピンウェッジ「MT-28」[写真:フォーティーン]

「MT-28」は、そのスピン性能の高さからツアープロがほれ込み、こぞって使用したモデルです。角溝と呼ばれるシャープなスコアラインを備えているのが特徴で、これによってアマチュアがいつもどおりに打ってもスピンがよく掛かり「MT-28」やその後継モデルは、プロアマ問わず日本のゴルファーに一大ブームを巻き起こすことになりました。

そんな歴史があるからこそ、冒頭の言葉「ウェッジといえば、フォーティーン」がゴルファーの頭には擦り込まれているわけです。

ルールに適合させつつ「あの頃のスピン」を取り戻す集大成として開発された「FRZ」

ルールに適合させつつ、これまでの検査基準の上をいく最上級の溝品質を備えた「FRZ」[写真:角田慎太郎]

その後、角溝を採用したウェッジは、あまりにもスピン性能が高すぎるという理由から、ついにはルール変更で規制されることになってしまいました。プロツアーでは2010年から角溝のウェッジが使えなくなり、エリートレベルのアマチュア競技では2014年から、一般アマチュアの競技でも2024年1月から使用できなくなっています。

けれど、いつの時代もゴルファーはウェッジに高スピン性能を求めるものです。そこでスピンウェッジのパイオニアであるフォーティーンが、ルールに適合した高スピンウェッジとして満を持して開発したのが「FRZ」と名付けられた2024年の新作です。

スコアラインは現代のルールに適合しながらもエッジ、形状、面積とハイスピンに有効な形状を追求。さらにスコアラインの間にレーザーミーリングを追加し、安定したスピンが得られる仕様に[写真:角田慎太郎]

この新ウェッジは現代のルールに適合しながらも、自社で厳しい検査基準を設けることでフェースの平面精度や溝形状の精度を極限まで高め、まさにルールぎりぎりのスピン性能を実現したモデルとなっています。スコアラインの間に新たなレーザーミーリングを加えることで、ラフやウエットなコンディションでも安定したスピンが得られるようにも配慮されています。

フォーティーンならではの技術と工夫を詰め込むことで、アマチュアゴルファーが打ってもルール変更前のような激スピンを掛けられるように作られているのが「FRZ」です。

「FRZ」を初めて手にしたアマチュア3人の印象は?

今回は、ギア好きのアマチュアゴルファー3人に「FRZ」を試打検証してもらいました。

「操作性が良さそうなヘッド形状で構えやすく、同時にやさしく打てそうにも感じられるところが絶妙」とルイゴルフさんは言う[写真:角田慎太郎]

ゴルフインフルエンサーとして活躍中のルイゴルフさんは「操作性が良さそうなヘッド形状で構えやすく、同時にやさしく打てそうにも感じられるところが絶妙。30ヤードほどの短いアプローチでもインパクトでフェースにボールが乗る感覚があって、スピンがよく入りました! バックフェースのデザインもカッコいい」と高評価でした。

甲斐さんいわく「ヘッドに小回りが利く感覚がある。テクニックをいかしやすく、上級者に好まれそう」とのこと[写真:角田慎太郎]

元・シャフトメーカー勤務でギアに詳しい甲斐さんは現在、フォーティーンのウェッジ「RM-α」を愛用中とのこと。

「ヘッドは『FRZ』のほうが小ぶりに見えて、構えた瞬間から操作性が良さそうに感じました。実際に打ち比べても『FRZ』のヘッドには小回りが利く感覚があります。テクニックを生かしやすいので、上級者に好まれそうなモデルです」と「RM-α」との違いを評しました。

「操作性重視というと難しそうなイメージを持つかもしれないが、むしろ『FRZ』は打ちやすく感じるアマチュアも多いのでは」と筆者(鶴原弘高)[写真:角田慎太郎]

そんな2人のレビューを聞いた筆者(鶴原弘高)は「FRZ」のヘッドデザインと重心位置に注目しました。

今どき、主流になっているウェッジは、打点であるフェースセンターに重心を近づける設計になっていることがほとんど。しかし「FRZ」はトゥ上部をCNCミルド加工でグラインドし、あえてヒール側に重心を寄せるように作られています。これによってヘッドを軽く感じられるので振り抜きやすく、操作もしやすいのが特徴です。

操作性重視というと難しそうなクラブだと思われそうですが、そもそもウェッジは長い距離を打つクラブではないので問題ありません。むしろ「FRZ」を打ちやすく感じるアマチュアも多いであろうと思いました。

アマチュア3人が打ってもバックスピンでボールが戻った!

トラックマンを使用して3人が試打計測した結果(赤マルがスピン量)

ピンまで70ヤードの地点から、アマチュア3人が「FRZ」のロフト58度を使って試打計測しました。その結果がこちら!(上記画像)3人ともスピン量が9500回転をゆうに超え、グリーンに着弾してから少し戻ってくるプロのようなウェッジショットを打つことができました。

「FRZ」では、46度、48度、50度、52度、54度、56度、58度、60度のロフト角を用意[写真:角田慎太郎]

「FRZ」では、46度、48度、50度、52度、54度、56度、58度、60度のロフト角を用意。中でも56度、58度、60度には複数のソール形状が設定されています。

今回の試打計測では、58度に用意されている3種類のソール形状「Sソール」「Hソール」「Tソール」を3人で打ち比べました。

58度では「Sソール」「Hソール」「Tソール」という3種類のソール形状が用意されている[写真:角田慎太郎]

「Sソール」は、スタンダードソールとして設定されており、丸みを帯びたラウンドソールがさまざまなショットスタイルに順応できる仕様となっています。

「Hソール」は、ヒルソール。最もバウンス効果を得られやすいソールタイプです。ヘッドの入射角が鋭角なタイプのゴルファーにマッチしやすい仕様となっています。

「Tソール」は、ツインソール。ソール中央に山型の稜線(りょうせん)を持った二面ソールによって、フェースが開きやすく、最もテクニックを生かせる仕様となっています。

ルイゴルフさんは3種類のソールの中でも「Hソール」がもっとも弾道とスピン量が安定。スピン量は10771回転を記録した[写真:角田慎太郎]

試打の結果、ルイゴルフさんのスイングはダウンブローが強めで、ターフを深めに取るタイプ。「Hソール」を使ったときに、もっとも弾道とスピン量が安定していました。逆に「Tソール」ではミスが多く、スピン量も不安定になりました。

甲斐さんは3種類のソールの中でも「Sソール」との相性が良かった様子。スピン量は9708回転を記録した[写真:角田慎太郎]

甲斐さんと筆者は、ともにヘッドの入射角が浅く、ウェッジショットでもターフをあまり取りません。甲斐さんと相性が良かったのは「Sソール」で「Tソール」だとミスが多くなり「Hソール」だと他のソールほどのスピン量が得られませんでした。

筆者(鶴原弘高)は「Tソール」を使用した際に、この日最多となる9602のスピン量を記録した[写真:角田慎太郎]

筆者は「Tソール」を使ったときに最多スピン量を得られましたが、実際にコースで自分が使用するなら、安定した高スピンショットが打ちやすい「Sソール」をチョイスしたいと感じました。また、バンカーショットに不安がある人には「Hソール」がオススメです。

フォーティーン「FRZ」[写真:角田慎太郎]

今回の試打では「FRZ」を使えばアマチュアでもルールに適合しながら高スピンショットを打てることが実証されました。ただし、スイングタイプとソール形状との相性によって、スピン量や打ちやすさが変わることも分かりました。「FRZ」に備わっている激スピンのポテンシャルを最大限に発揮するためには、ソール選びにもしっかりと気を配ったほうが良さそうです。機会があれば、ぜひ皆さんもソール形状まで打ち比べてみてください。

[撮影協力:ONEWAY GOLF CLUB writer:鶴原弘高 photographer:角田慎太郎]

鶴原弘高(つるはら・ひろたか)

大阪府出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフクラブ関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:「A1 GOLF CLUB」(https://www.youtube.com/@A1_GC) Instagram:@tsuruhara_hirotaka

ルイゴルフ(大塚塁/おおつか・るい)

愛知県出身。レッスン動画で若年層ゴルファーの支持を得る動画クリエイター。168のスコアからたった50日で100切りを達成したノウハウを伝えるインスタグラムのフォロワーは約6.5万人。現在は20代ゴルフコンペの企画運営などを行っている。

甲斐哲平(かい・てっぺい)

福岡県出身。PR会社アイアンシェル代表。大手国産シャフトメーカーのPR・広告宣伝を15年担当。2019年3月に独立し、現在はさまざまなゴルフ関連メーカーのPRに携わる。ゴルフ歴27年、ベストスコア69。