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吉田徹

吉田徹

認証済み

同志社大学政策学部教授

報告

ロシア軍の侵攻が想定通りに進んでいないという指摘があり、これは士気高いウクライナ軍の抗戦もあるが、他方で様々な建造物を安易に破壊できないというロシア側の配慮もあるかもしれない。 プーチンがロシアの歴史的起源にキエフ公国を挙げたのであれば、むやみに歴史的建造物を破壊するわけにはいかず、さらに傀儡政権を樹立するにしても、民間人をなるべく殺さないようにしなければ、実効的な支配は可能にならない。 かように、実は微妙なさじ加減が求められるウクライナイ侵略は多くのハードルに直面する。プーチン大統領の「落としどころ」がどこにあるのか、まだ戦略の全貌は明らかではないが、自軍の死者数も抑制しながら(多ければ反プーチン感情が増長する)ウクライナを屈させるのは並大抵のことではないだろう。

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コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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