Yahoo!ニュース

杉本昌隆

杉本昌隆

認証済み

公益社団法人日本将棋連盟 棋士八段

報告

渡辺明名人の強さが遺憾なく発揮された将棋でした。 第1局から第3局まで、渡辺名人は藤井聡太竜王が得意の「角換わり」を徹底的に封じる作戦を採られています。本局の矢倉対雁木の戦型もまさにそれでした。 記事にあるように、中盤で藤井竜王が角を切った構想、厳密にはその直後の指し手がどうだったかでしょうか。藤井竜王にしては珍しく、正確な読みを欠いてしまったように思えました、 もっとも、その直後の渡辺名人の切り返しはあまりに見事で、盤上この一手の絶妙手でした。本局は渡辺名人の読み勝ちという気がします。 最終盤、渡辺名人ならひと目で浮かんだであろうその決め手に、念には念を入れて大長考されたことが印象に残ります。藤井竜王の読みに対する信頼と、この一局の重さを感じるものでした。 第4局の戦型はどうなるのでしょうか。注目です。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった1371

コメンテータープロフィール

杉本昌隆

公益社団法人日本将棋連盟 棋士八段

1968年11月生まれ 愛知県名古屋市出身。2019年2月22日八段、2002年5月、第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。2008年「NHK将棋講座」の講師を務める。 2019年3月、第77期C級1組順位戦で9勝1敗でB級2組へ復帰昇級。史上4位となる50歳での昇級を果たす。Cクラスからの復帰昇級者は平成以降初。著作「弟子・藤井聡太の学び方」「悔しがる力」(PHP研究所)「将棋・究極の勝ち方・入玉の極意」(マイナビ出版)など20冊以上。朝日新聞・週刊文春・中日こどもウイークリーにて連載コラム執筆中。現役棋士であると同時に執筆活動テレビ出演、講演もこなす。

関連リンク(外部サイト)

杉本昌隆の最近のコメント