これは誰にでもあるうっかりで、対局の前日に複数人で研究会でもしていたら誰かが気が付いたのに・・・と思わずにはいられません。 ただ、記事中にある神谷広志八段の優しさに藤本渚四段も救われたのではないでしょうか。 私も五段の頃にテレビ棋戦の予選で開始時間を間違えて不戦敗をしました。 お粗末なのは前日に将棋会館の掲示板で対局時間を確認しながら、もう一組の対局「１４時開始」をなぜか自分の対局と間違えたこと。対局日の朝にホテルで午後対局に備えていたところ、職員からの電話で不戦敗を告げられ血の気が引きました。 日本将棋連盟に提出した始末書は苦い思い出です。 棋士は、職業人としてミスをしないことは勿論大事ですが、特に若手の頃は指し手を間違えない「将棋の信用」が問われます。 １７歳の藤本四段は藤井聡太竜王を追う世代の筆頭です。今回の件を引きずらずに今後も勝ちまくることをファンは望んでいることでしょう。
コメンテータープロフィール
１９６８年１１月生まれ 愛知県名古屋市出身。２０１９年２月２２日八段、２００２年５月、第２０回朝日オープン将棋選手権準優勝。２００８年「ＮＨＫ将棋講座」の講師を務める。 ２０１９年３月、第７７期Ｃ級１組順位戦で９勝１敗でＢ級２組へ復帰昇級。史上４位となる５０歳での昇級を果たす。Ｃクラスからの復帰昇級者は平成以降初。著作「弟子・藤井聡太の学び方」「悔しがる力」（ＰＨＰ研究所）「将棋・究極の勝ち方・入玉の極意」（マイナビ出版）など２０冊以上。朝日新聞・週刊文春・中日こどもウイークリーにて連載コラム執筆中。現役棋士であると同時に執筆活動テレビ出演、講演もこなす。
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