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白鳥浩

白鳥浩

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法政大学大学院教授/現代政治分析

報告

解説日本はデジタル化を推進して、「監視国家」「密告社会」に向かっていくのだろうか? 河野大臣のこの行動は、やはりマイナ保険証が利用できない医療機関の「通報」を促しているとすら見える。 そもそもマイナンバーカードの取得は法的なたてつけとしては「任意」であるはずであり、そうした「任意」のカードを使用できない医療機関を「政府に通報」するというのは、デジタルを口実にした政府の権力の誇示、さらには国民に対する監視を強化する「監視国家」へと向かっていく危険な行動だ。岸田政権は、日本を、そうした強権的な国家を目指すものともとれる。 およそデジタル化の推進については、政府への信頼に基づく、国民の理解が要請される。国民はこうした行動を行う政府に対して信頼が持てるのだろうか。こうした圧力は、信頼を損なうだけだ。 この発言は補選にも影響する。 やはり、この政策はもう一度見直す必要がある。

コメンテータープロフィール

白鳥浩

法政大学大学院教授/現代政治分析

日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。

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