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白鳥浩

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法政大学大学院教授/現代政治分析

報告

解説総理だけが持つ「二つの大権」とは、第一に「(衆院の)解散権」と第二に「(閣僚、党役員の)人事権」である。 ここで、派閥解消以来、隙間風が吹いてきているという茂木幹事長を外す人事を行えば、奇妙なことが起こる。 支持率の低下に悩む岸田首相に、逆に党内の権力の集中が起こるということになる。つまり「二つの大権」のうちの「人事権」を示すこと、「首相」としての「権力」を見せることによって、逆に国民の人気のない岸田氏に、党内の求心力が上昇することになる。 しかし、岸田首相はこうして支持率の向上を試みるが、しかしながら「裏金」で大量の処分者を出し、それによる党内の怨嗟の声もあり、また岸田氏に取り込まれるのを避けて、内閣改造、党役員人事を行おうとしても国民的人気を獲得するのは難しい可能性が高い。 このままでは菅内閣のように、人事も不発に終わり、岸田首相は9月総裁選への出馬ができない可能性も出てくる。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 中北浩爾

    政治学者/中央大学法学部教授

    見解結局、後藤謙次氏の「基本は国民に向かって堂々と自分の信念を訴えることです」という言葉に尽きるのではな…続きを読む

コメンテータープロフィール

白鳥浩

法政大学大学院教授/現代政治分析

日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。

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