解説『闇バイト』という言葉には軽い印象があり、使うべきではないという意見もあります。それも理解できます。しかし、問題の本質は、犯罪組織がこの言葉を巧妙に利用している点です。犯罪組織は、SNSで『強盗をやる人はいませんか?』などと直接的に募集することはありません。代わりに、『闇バイト』という言葉を使い、特に社会経験が浅く、危機感の薄い若者を巧みに誘い込んでいます。 つまり、『闇バイト』という言葉は、犯罪組織にとってあえて軽く聞こえるようにし、若者の警戒心を和らげる手段となっているのです。この背景を理解した上で、私たちは『闇バイト』がどれほど危険なものであるかを広く発信し、若者たちに警戒を促す必要があると考えています。実際にこの言葉が使われているからこそ、警鐘を鳴らす意味であえて『闇バイト』という言葉を使い続けることが重要だと感じています。
コメンテータープロフィール
22年の警察人生のうち、埼玉県警察本部刑事部捜査第一課で10年間従事し、数々の重要事件捜査本部において被疑者の逮捕、取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に関わり、多くの経験があります。また、捜査一課においては、デジタルフォレンジック(デジタル証拠)を収集・ 解析するデジタル捜査班⻑として、パソコン、防犯カメラ、スマートフォンの解析を経験しており、サイバー犯罪捜査においても知識を有しています。
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