少子化が進行している。また子どもを生まれたとしても家庭だけで子どもの成長や発達の環境を確保することがむずかしくなっている。地域や職場においても環境も大きく変化しており、社会全体で子どもの養育環境を整備しなければならない。政府は、高齢者を対象とする社会保障から子ども期から高齢期までの全世代型社会保障を掲げているが、その制度・政策はスピード感に欠け、抜本的対策はみられない。このことは、子どもだけでなく若者を対象とする制度・政策にもみられる。これからの社会を担う人たち（子ども・若者）に対して未来を展望できる社会を示すことが国家の役割であると考える。「子ども・家庭庁」など制度・政策の司令塔となる所管庁を創設し、大幅に財源を増やし実効性のあるものにしていくべきである。
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コメンテータープロフィール
貧困・低所得問題を中心として研究・社会的活動を行う。専門は社会保障論、社会福祉論。日本社会事業大学・社会事業学校教員、東京都立大学教授、明治大学教授を経て２０２４年４月より現職。著書として『生活困窮者自立支援－支援の考え方・制度解説・支援方法』（編 著、中央法規）、『貧困問題とソ ーシャルワーク』（共編、有斐閣）など。
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