Yahoo!ニュース

三牧聖子

三牧聖子

認証済み

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説バイデンはイスラエルが過剰な報復に出ないよう、かなり強い圧力をかけているとのことだ。ここでイスラエルを止められなければ、国際的にも、国内的にもバイデン政権は窮地に立たされることになる。 バイデンのイスラエル政策は「抱擁戦略」と呼ばれる。公にはイスラエルへの全面支持を打ち出し、イスラエルのアメリカへの信用を確かなものにした上で、非公式に、過剰な軍事行動に走らないよう、ネタニヤフ首相やイスラエルの政府高官に影響力を行使する、そうした戦略だ。 しかしこの半年間のイスラエルの行動が示すように、この戦略は「何をやっても、米国は口では批判しても、軍事支援をやめない」とネタニヤフ政権を増長させる結果に終わってきた。この緊迫した局面でバイデンはイスラエルの行動をなんとか抑制すべきだが、ここまでイスラエルを増長させたのは自身だということも理解しなければならない。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 錦田愛子

    慶應義塾大学法学部教授

    解説イランは中東の大国であり、イスラエルが本気で報復攻撃に出た場合、地域の軍事的緊張は一気に高まり、これ…続きを読む

  • 前嶋和弘

    上智大学総合グローバル学部教授

    補足イスラエルを止められるのはアメリカだけ。アメリカ国内にはイスラエル支持が圧倒的ですが、一方で本格介入…続きを読む

コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

三牧聖子の最近のコメント