Yahoo!ニュース

門倉貴史

門倉貴史

認証済み

エコノミスト/経済評論家

報告

見解出産費用の自己負担をゼロにしても、子どもが成人するまでの子育て費用がすべて軽減されない限り、少子化対策にはならないだろう。  また、出産費用を保険適用したうえで自己負担分の3割を国が補助する仕組みにした場合、財源をどのように確保するかという問題が出てくる。  これまでの少子化対策のように財源確保という重要な論点をなおざりにして、結局「子育て支援金」と称して医療保険料の上乗せによって財源を確保するという方法は、取りやすい形で取っているだけで、公平性がまったく考慮されていない。  そもそも、医療保険料の上乗せによる徴収は、保険制度の趣旨にそぐわない。保険加入者は全員、支払った保険料に見合う医療サービスを受けられなくてはならないはずだが、支援金の分だけ医療保険料を多く払っても、それは少子化対策に使われてしまうので、保険加入者はその分の医療サービスを享受できなくなってしまう。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 重見大介

    産婦人科専門医 / 公衆衛生学修士 / 医学博士

    見解産婦人科医としてコメントします。 少子化対策として劇的な効果があるかどうかは別として、出産費用の自己…続きを読む

  • 真野俊樹

    医師/中央大学大学院教授/多摩大学大学院MBA特任教授

    解説ますます よくわからなくなってきています。 保険 診療に入れたいという背景の一つには 全国で一律の値…続きを読む

コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

関連リンク(外部サイト)

門倉貴史の最近のコメント