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門倉貴史

門倉貴史

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エコノミスト/経済評論家

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海外客の受け入れ見送りでインバウンド消費が期待できなくなるが、五輪開催年にホスト国に大きな経済効果がもたらされるのは「ドリーム効果」が発生するためと言われる。「ドリーム効果」とは、五輪やサッカーW杯など国内で華々しいビッグイベントが開催されたときに人々の気分が高揚して、つい財布のヒモが緩んで、様々な消費が拡大する効果を指す。ある試算によると、2020年東京五輪・パラリンピックの「ドリーム効果」は7兆5000億円にも上るという。しかし、この「ドリーム効果」が発生する大前提は、そのビッグイベントの開催が多数の国民に歓迎されていることだ。最新の世論調査で新型コロナへの不安などから8割以上の国民が東京五輪・パラリンピックの今夏開催に反対していることを踏まえると、今夏に五輪を強行したとしても「ドリーム効果」はほとんど発生しないとみられ、五輪開催のための先行投資を回収することはできないだろう。

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コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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