Yahoo!ニュース

井上智介

井上智介

認証済み

精神科医/産業医

報告

見解『時間が解決してくれる』 大切な人やペットを亡くした時に、このように声をかけられた経験がある人もいるでしょう。これは正しいようで、正しくありません。どれだけ時間が経過しても『もうこの世にいないんだなぁ…』と心にポッカリと穴が空いた状態は変わらないものです。 たしかに、その状態にちょっとだけ慣れたり受け入れながら、前に進める人もいるかも知れません。しかし、みんながみんな、そうではありません。どれだけ時間が経っても、ふいに悲しい気持ち、寂しい気持ち、怒りの気持ちが襲ってきます。それを無理に抑え込まないで欲しいですし、『これだけ時間が経ったのに、まだ切り替えれていない…』と自分で自分を責める必要は全くありません。 涙の止め方を知らなくて大丈夫。自然と止まる時が来るまで待てば構いません。ひとりで抱えられない時、家族や友人ときには医療に頼って、その気持ちを外に出すようにして下さい。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった866

コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

井上智介の最近のコメント