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井上智介

井上智介

認証済み

精神科医/産業医

報告

見解皮膚むしり症は、ため込み症や抜毛症と同じように【強迫関連症】として強迫症と近しい疾患だと扱われます。 指でふれた感触が気になって、皮膚をむしってしまいます。場所は爪や指先のささくれだけではなく、かかとや唇もよくあります。自分でも止めたいと思うものの、気になったら”むしりたい衝動”を止めれない状態です。 もし治療をするなら【行動療法】が重要です。これは”むしりたい衝動”を強制的に抑え込んで、モヤモヤする嫌な思いを抱えながら過ごす治療で、不快感に立ち向かう覚悟と忍耐が必要です。ただ、その時に記事で紹介されている「指保護テープ」は物理的に抑えられるので有効ですね。 この疾患は、記事にあるように”見た目”も気になるため、なかなか他人に言い出せずに、ひとりで辛さを抱えている人も多いです。そのなかで、有村藍里さんのような著名人が発信して下さり感謝します。たくさんの人が心から救われます。

コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

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