大災害に苦しむLAでクリッパーズが勝利!
現地時間13日の月曜日、ロスアンジェルス・クリッパーズがマイアミ・ヒートを109-98で下した。共に20勝17敗同士の対戦だった。
ヒートは主力の筈だったジミー・バトラーを欠いていた。
「バスケの楽しさを再発見するためにチームを去りたい」
と発言し、退団が避けられない状況になっている。35歳のバトラーは度重なるケガに悩まされてきた。だが、大事な場面で何度もチームを蘇生させたのも事実だ。大黒柱を失ったヒートは今後、苦戦が予想される。
一方、Tipoffの2時間前、クリッパーズのエース、カワイ・レナードは黙々とシュート練習をしていた。オールスターに6度選出された背番号2が、今季、コートに立ったのは1月4日の19分と6日の21分のみ。右膝の負傷がなかなか治らず、大きく出遅れた。
また、米国第二の都市を襲った山火事の影響で、少なくとも24人が死亡、約3万7000エーカーの土地とともに数千の建造物が焼失している。18万人が避難勧告を受けた。AccuWeather社の報告によれば、被害総額は1350億ドルから1500億ドルの間だという。
11日のホームゲームは延期となり、地元のライバルであるレイカーズも休止を余儀なくされた。
大規模な火災でロス市民が混乱するなかで13日のゲームは行われた。
レナードは、家族がパシフィック・パリセーズの自宅を離れて避難中のため、コロラド遠征を欠席。レナードの自宅に被害はない。とはいえ、2014年にサンアントニオ・スパーズで、2019年にはトロントラプターズでと、2度NBAチャンピオンに輝き、ファイナルMVPにも輝いたレナードは、妻子のケアが必要である。
クリッパーズのティロン・ルー監督も、「何よりもファミリーを大事にしなければならない」と、レナードを同行させなかった。
自然災害の影響か、ヒート戦は5割の入りといった状態で空席が目立った。レナードは前日練習に参加したものの、記者の前には顔を出さなかった。
試合前、ルー監督は、「レナードの右膝の具合を考慮し、ヒート戦は出場時間を制限する」と語っていた。また、「彼がコートに完全復帰するには、もう少し時間が必要」とも話していた。このスター選手は、今年のレギュラーシーズンの40分間で20得点、5リバウンド、3アシスト、2スティールを記録しただけだ。チーム自体もレナードを20分前後の出場で慣らしていく予定でいる。
1Q終了時で28-35。ハーフタイムで43-48とビハインドを負ったクリッパーズだが、3Q残り7分20秒でジェームズ・ハーデンが3Pを決めて59-59と同点に追いつく。そして、残り6分58秒にはノーマン・パウウェルの3Pで62-59と逆転した。しかしその28秒後に、レナードがフリーでレイアップを外した姿は弱々しかった。
レナードは監督がアナウンスした通り21分のプレーで6得点5リバウンド1アシスト。まだ復調には時間を要しそうだ。
36分プレーしたパウエルが29得点、37分コートに立ったハーデンが26ゴールと、山火事で苦しむロスアンジェルスに希望を与えた。
筆者の胸にはゲーム以上に、30分強のレナードの練習風景が刻まれている。どんな困難に出会っても、最善の努力をするーーーー。彼の眼差しは鋭かった。