【富山市】「印染のもののまわり」展トークイベントに参加!富山県・岐阜県の職人さんにお話を聞きました。
富山県民会館に併設されているD&DEPARTMENT TOYAMA(ディアンドデパートメントトヤマ)。ショップ・ギャラリー・ダイニングの3つから構成されていて、富山に長く続くよいものと世界中のよいものを、食や物を通して伝えています。
6月15日(木)~8月6日(日)の期間、D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERYで開催されている「印染(しるしぞめ)のもののまわり」展の特別なトークイベントに参加してきました。会場の様子と展覧会について詳しくご紹介していきます。
D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERYで開催「印染のもののまわり」展
「印染」とは、暖簾、手ぬぐい、はっぴ、大漁旗といった織物に、特有の文字や紋章、マークを染めつける技法のこと。平安時代から続く日本の伝統的な文化です。
相撲ののぼり旗も、印染によって染めれています。このことから分かるように、印染は大きな面積を染めたり、文字に表情を出したりしたいときに最適な技法といえます。
「印染のもののまわり」展では、普段はなかなか見ることができない印染の大漁旗や、印染で染められた不要になった布で作られたD&DEPARTMENT オリジナルバッグなどが展示されています。
私たちの暮らしのハレとケのさまざまなシーンに印染された物があると実感でき、これまで意識しなかった印染された物のディテールや制作の過程が気になってきます。
富山県・岐阜県の印染の作り手を招いてのトークショー
展覧会に合わせて、D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERYで開催されたトークショーに参加させていただきました。富山県・岐阜県で制作を続ける作り手を招いて「印染とは何か?」を学べる貴重な機会です。
会場は、普段はダイニングとして解放されているスペースが会場となっているため、とてもアットホームな雰囲気。オシャレなドリンクを片手に、リラックスして印染の職人さんのお話に耳を傾けることができました。
お話を聞かせてくださったのは、吉田旗店(岐阜県岐阜市)の吉田聖生さん、染元 山本染業(富山県高岡市)の山本剛士さん、森田染工房(富山県南砺市福光)の森藍子さん。お三方は、「全国青年印染経営研究会(通称:全染研)」に所属されている印染の職人さんです。
全染研は、印染の優れた伝統的技術を守るために発足されました。51年の歴史があり、現在は105,6ほどの団体が所属しています。
全染研とD&DEPARTMENT TOYAMAとが手を組むことで印染に興味を持ってもらい伝統を絶やさない・業界を盛り上げるための活動の一環として、今回の「印染のもののまわり」展やトークショー、印染のデモンストレーションを行う工場見学・藍染ワークショップなどを開催しました。
トークショーを通して、印染はほぼ全ての工程を職人の手仕事で行うためはっぴなどの大量注文の際はかなりタフな作業になること、同じ布を何度も重ねて塗ることで色の濃さを調整できること、染料のブレンドで色を調整すること、など実際に現場でお仕事をされている方々だからこそのリアルなお話をうかがうことができました。
他にも、大相撲ののぼり旗は上に行くほど文字が大きくなっているとのこと。これは、地上から見上げた際に文字の大きさが均等に見えるようにするためです。また、黒色は「黒星」、茶色は「茶々を入れる」ことをイメージさせるため、力士の名前には使用しません。
「印染とは何か?」から始まり、制作の苦労話やデザインに込められた意味まで幅広く知ることができ、とても面白いトークショーでした。
まとめ
全染研の所属団体として、今後はワークショップつきのイベントを行うなど、印染に興味を持ってもらい伝統を絶やさない・業界を盛り上げる活動に尽力していきたいともお話してくださいました。
「まずは印染というものを知って面白いと感じてもらいたい」「物を作るのは楽しくて、苦労することというと」と、それぞれの思いを真っ直ぐにお話される姿がとても印象的でした。今後の全染研とD&DEPARTMENT TOYAMAとの活動も、ここでお伝えしていきます。
【詳細】D&DEPARTMENT TOYAMA
住所:930-0006 富山県富山市新総曲4-18富山県民会館1階
電話:076-471-7791
営業時間:SHOP 10:00〜19:00、DINING 平日11:00〜17:00 土日・祝日11:00〜19:00
休日:富山県民会館の休日に準ずる
可能な支払方法:現金、各種クレジットカード、各種交通系ICカード、iD、QUICPay
この記事では、取材・インタビューライターの岩井ななが、休日に行きたくなる富山市内のショップやイベントなどをご紹介しています。