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リブゴルフ「シード落ち」のB・ワトソン、チームの新選手獲得に意欲「誰だって大金がほしい」 #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

鳴り物入りでリブゴルフへ移籍したマスターズ2勝のバッバ・ワトソンの選手生命が風前の灯になりつつある。

移籍前からの手首の故障などが尾を引いたのか、ワトソンのゴルフは不調が続いており、2023年5月以来、トップ10入りは一度もない。今季も不調で、リブゴルフでは、ポイントランキング53位に終わり、いわゆる「シード落ち」となった。

そこでワトソンは、来季をプレーヤーとして迎えるために、リブゴルフの下部組織化しているアジアツアーのインターナショナル・シリーズに臨んでいた。

しかし、今週のサウジ・インターナショナルでは予選落ちを喫し、アジアからの敗者復活による返り咲きは失敗に終わった。

米スポーツイラストレイテッドによると、「これから、どうするつもりなのか?」と英国メディアから問われたワトソンは、こんな返答をしたという。

「僕の夢のシナリオは、来季も(リブゴルフで)プレーヤーとしてプレーすることだ。僕はチームのキャプテンであり、オーナーでもあるから、僕が決めれば、プレーヤーとして残ることもできるけど、何ができるのか、どうするべきかを、よく考えたい」

ワトソンが言う「何ができるのか」は、自身のチームを最強にするためには何が最善の策なのかという意味だった。そして、その最善の策を考えるとき、一番に思い浮かぶことは、チームを強くしてくれるであろう選手を獲得することだと、ワトソンは語った。

「誰だって、大金がほしい。そして、みんな自分は大金を得るに値すると思っている。僕はチームのためにできることは何だってやってきたし、これからもそうしたい。僕の視線は(プロだけではなく)ベスト・アマチュア獲得にも向けている。アメリカ人だけではなく、チームを助けてくれると思われる選手に向けている。チームをもう少し若返らせることも必要だ」

46歳のワトソンは、チーム強化のための適切な人材を見つけ、獲得することができたら、プレーヤーという立場からは退き、キャプテン業に専念する考えがあることも示唆しているという。

「ローリー・マキロイが僕に電話をかけてきて、『僕が入れる枠はあるかい?』と尋ねてくるかもしれない」と、冗談交じりで語ったワトソンは「僕が言いたいことは、そういうこと。何ができるか、何が起こるか。様子を見る」

ワトソンが予選落ちしたサウジ・インターナショナルには、リブゴルフ選手42名が参加していたが、ワトソン同様、パット・ペレツやダスティン・ジョンソンも予選落ちとなった。

ランク48位だったペレツは、ぎりぎり「オープンゾーン」で、シード落ちではないものの、リブゴルフとの契約は来年1月1日で切れるとのことで、彼の「今後」が危ぶまれている。

ジョンソンはランク14位でシードは安泰だが、チームのキャプテンという役割に加え、12月5日付けで、「ゴルフ・サウジ」の新たなアンバサダーにも就任したため、来季からは、これまで以上にビジネス色の強いプレーヤーとなりそうな気配。

「スター選手が勢揃い」と謳われてきたリブゴルフは、その様相が少しずつ変わりつつあるように感じられる。

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ありがとうございます。
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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