【京都市西京区】自家培養酵母やカスタード、あん、カレー、具材もすべて手作り 国産小麦パンとジェラート
9号線千代原口から物集女街道を樫原へ向かっていると、道路沿いに目だった看板もなく、ひっそりと佇む民家風の建物。2024年9月2日に気になったので入ってみることに。「ここはパン屋さんですか?」と尋ねると「パンとジェラート、自家焙煎珈琲、スペインワインやってます」とのこと。なかなか多彩です。
店内には60種に及ぶ個性的なパンがずらり。夏限定の「とうもろこしベーグル」は、北海道産トウモロコシを包み、コーングリッツをのせて焼いたもの。「フリュイクリームチーズ」はゴールデンレーズンとオレンジピールを混ぜ込んだ生地に北海道産クリームチーズを包み、ココナッツとマンゴージャムを塗っています。
どれも美味しかったのですが、豚トロウインナーをフランスパンで包んだ人気の豚トロウインナーは食べやすい棒状で、やわらかめのフランスパンからがっつりうま味のあるウインナーが出てきて、むしゃむしゃいくらでも食べられそう。いぶしベーコンのカスクートも粒マスタードがぴりっと美味い。
季節限定の「いちぢくのタルト」や一口サイズの「自家製粒あんパン」、「カレーパン」、石臼挽き粉を用いて長時間発酵させたバゲットやカンパーニュなどまだまだあります。となりの人間国宝にも認定。凄いのは、店主の植田陽彦さんが、100%国産小麦を使い、酵母も開業以来13年間、ずっと自ら種付けして自家培養し、各パンに合わせて9種の生地を作り変えているといいます。
パンに入れるカスタード、あん、カレー、スパイスもすべて自ら調合するこだわりです。ジェラートがまた良い。黒豆きなことピスタチオをオーダーしました。これがまた優しい自然の甘さで腹に残らず美味いんです。手作り感満載でした。ジェラートとプリンは妻の幸子さんが自宅にある工房で作る、こちらも自家製だそう。
陽彦さんは、若いころ、イタリア料理店で働いたのちに、実家のケーキ屋さんで働きました。28歳のとき、淡路島出身の妻幸子さんとの結婚のため、神戸へ移住。パンの名店コム・シノワで5年に亘って修行し、他店で4年間店長をつとめたのち、39歳でこの地で開業。店名の「プラビダ」は中米コスタリカの挨拶で、スペイン語で「人生って素敵ね」という意味の日常的に使われる言葉だそう。
陽彦さんは、「4人の子どもたちに添加物を使わない安心できるものを食べさせたいのと同じように、地域の方に安全な逸品を届けたいから妥協はしたくないねと妻と話しているんですよ」といいます。
素敵な人生のワンシーンが溢れるプラ・ビダで、「パンやジェラートを食べながら、自家焙煎珈琲やスペインワインが飲めるようにもしたいな」と語ってくださいました。
ぜひ1度、気軽にお立ち寄りください!
「プラビダ」(外部リンク)京都市西京区川島権田町10-10 075-394-7028