二人だけのお出かけ、スキンシップ、性交渉…夫婦間の共通行動の実情をさぐる(2019年公開版)
法的な婚姻関係はもちろんだが、心情面でも多分に信頼を寄せあっている夫婦間においては、色々な形でコミュニケーションが行われている。その実情を2019年9月に発表された全国家庭動向調査(※)の結果から確認する。
次に示すのはコミュニケーションの実情として調査対象に挙げられている項目のうち、男女としての夫婦ならではの行為に関する頻度を確認したもの。各行為の具体的な内容にかかわる説明は無く、選択肢の文面で回答者が想像できる行為について答えてもらっている。
今件で取り上げた選択肢以外にも「旅行(日帰りを含む)に出かける」「夕食を一緒にする」「買い物に行く」などがあるため、「夫婦だけで出かける」はそれらとは別の行動となる。具体的目的を定めずにぶらつく、あるいはスポーツを楽しんだり映画を見るといったデート的なものが該当するのだろう。その行為に関して行っている派(「よくある」+「ときどきある」)は6割近く。一方で「まったく無い」とする人も2割近くいる。
「夫婦間のスキンシップ」は行っている派が4割強。「まったく無い」は1/4近く。そして「夫婦間の性交渉」は行っている派が1/4近くで、「まったく無い」は5割を超える。妻からの視点だが、「夫婦間の性交渉がまったく無い」とする夫婦が過半数との結果に驚く人がいるかもしれないが、高齢夫婦も多分に含まれていることを考えれば納得はできるはず。
今件について回答者の年齢階層別に区分し、行っている派の値を計算した結果が次のグラフ。
年齢とともに「夫婦間のスキンシップ」「夫婦間の性交渉」のような性的行動の値が減り、「夫婦だけで出かける」は増える傾向がある。今回は取り上げなかったが「夕食を一緒にする」も年齢とともに値が増える動きを示している。身体の衰えとともに夫婦における男女間の関係も具体的な行為から、精神的なつながりを認識できる行為に代わっていくということなのだろう。
それにしても妻の年齢が70歳以上で、スキンシップはともかく性交渉が「よくある」「ときどきある」合わせて8.2%という値は、ある意味驚きの結果には違いない。
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※全国家庭動向調査
国立社会保障・人口問題研究所が5年おきに行っている調査で、家庭機能の変化の動向や要因を正確に把握するため、家庭での出産、子育ての現状、家族関係の実態を明らかにすることを目的としている。直近分となる2018年分は、2018年に調査票を配布、同年7月1日時点についての事実の記入をしてもらい、回収した結果を集計したもの。有効回答票数は10965票で、今件はそのうち有配偶の女性(つまり結婚した状態で夫がいる妻)が回答した6142票を分析対象としている。妻の年齢区分は29歳以下2.6%・30代13.2%・40代20.2%・50代20.0%・60代23.7%・70歳以上20.2%。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。