【Playback箱根駅伝】第36回/中大が初の12時間切り!!黄金期突入へ 東洋大が過去最高の3位に入る
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第36回箱根駅伝の総合成績&区間賞一覧をチェック!
第36回(1960年/昭和35年)中大が初の12時間切りで連覇!黄金期突入へ 東洋大が過去最高の3位
中大出身の渡辺和己(九電工)がマラソンでローマ五輪に出場した1960年。第36回大会は、中大が連覇に挑んだ。 中大1区の田中光城が1時間9分46秒と区間新記録で首位に立つ。しかし、2区で日大の武内修一郎が区間賞の快走で逆転し、中大は2位に後退する。さらに中大4区の黒仁田幸雄は脚を痛めてブレーキ。続く5区の横溝三郎も区間8位と、日大を追う展開となった。 往路は日大が6時間1分6秒で制覇する。3区で吉岡敏晴が区間賞を獲得した東教大が往路2位に入り、中大は日大から7分41秒遅れの3位で復路に臨んだ。 連覇達成に向けて7分以上の差を追う展開となった中大は、6区の作田誠一が1時間12分35秒で区間賞を獲得し、2位に浮上する。7区の杉崎孝も1時間3分3秒で区間賞獲得、9区の留野豊昭は1時間2分15秒と区間新記録の快走で日大を逆転した。 2年生アンカーの奥宮和文も区間2位と粘り、同校の前年優勝記録を1分50秒も更新。史上初の12時間切りとなる11時間59分33秒で、中大が2年連続9回目の優勝を飾った。 復路も5時間50分46秒と大会新記録を樹立。後年、西内史夫監督は「36回大会の逆転劇が6連覇の踏み台になった」と述懐。中大6連覇の足掛かりとなる駅伝になった。 2区、4区の村田成男と2区間で区間賞を獲得して往路を制した日大は、12時間1分47秒で総合2位。また、東洋大のアンカー・吉田博は東教大を抜いて3位に浮上し、12時間12分36秒で戦前(1933年)の初参加以来、最高順位の総合3位に滑り込んだ。東教大が4位、早大、専大と続いた。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部