【UFC】“マカチェフを最も苦しめた男”ツァルキヤンが強豪ダリウシュを64秒KO「4年前とは違う。マカチェフをKOして見せる!」
2023年12月2日(日本時間3日)米国テキサス州オースティンのムーディーセンターにて『UFC Fight Night: Dariush vs.Tsarukyan』(U-NEXT配信)が開催された。 【写真】右ヒザから同側の右ストレートを打ち抜いたツァルキャン、強い体幹を持つ メインイベントでは、ライト級4位のベニール・ダリウシュと、8位のアルマン・ツァルキヤンが対戦。ツゥアルキャンが64秒KO勝ちで、絶対王者マカチェフに再戦を要求した。 ▼ライト級マッチ 5分5R 〇アルマン・ツァルキヤン(アルメニア)21勝3敗(UFC8勝2敗)155.5lbs/70.53kg) [1R 1分04秒 KO] ※首相撲ヒザ→右ストレート ×ベニール・ダリウシュ(米国)22勝6敗(UFC16勝6敗)156lbs/70.76kg) レスリングの組みのツァルキヤンと、BJJ黒帯のダリウシュ。ともにMMAグラップラーとしてのみならず、蹴り技も得意とする。 34歳のダリウシュは、トニー・ファーガソンやマテウス・ガムロに判定勝ちするなど怒涛の8連勝。6月の前戦でシャーウス・オリベイラに右ハイを効かされ、パウンドアウト。連勝がストップした。 会見でダリウシュは、「ツァルキヤンは27歳と若くてとても才能がある。彼にはチャンピオンになる能力がある。多くの人が『このような男は避けるべきだ』と言っていることは知っているけど、僕は引退する前に必ず彼らと向き合いたいと思っているんだ。だって僕は世界最高の選手たちと戦いたいから。戦いを終えたとき、『最高の選手たちと戦った』と言える。『僕は誰も飛ばさなかったよ』と。ステイタスという点では、この試合に勝ってもランキング的にはどこにも行けないだろう。でも実際は、ランキングのためにここに来たわけじゃない。世界最高のファイターとして、世界最高の相手と戦うためにここに来たんだ。彼もその一人だと思う」と、多くのランカーが対戦を嫌うツァルキヤンとの対戦を受けた理由を語っている。 対するツァルキヤンは、UFCデビュー戦でいきなり後の王者のマカチェフと対戦し、マカチェフの蹴り足を取ってのボディロックでUFCで初めてテイクダウンを奪うなど、レスリングで互角に渡り合っている。5連勝後の2022年6月にガムロに判定負けも、接戦の内容だった。その後、ダミル・イスマグロフに判定勝ちすると、2023年6月の前戦では ジョアキム・シウバを3R TKOに下している。 Bellatorライト級GP決勝進出のアレクサンドル・シャブリーを練習パートナーに、アメリカントップチームでは堀口恭司とも練習を積んで来た。 1R、サウスポー構えのダリウシュは左の上下の蹴り。左回りのツァルキヤンはワンツーの右を見せる。左ローを返すダリウシュは右ジャブのダブルから左でツァルキヤンを下がらせる。 しかし、ダリウシュの前進をさばくツァルキヤンは、左から右でダリウシュにガードを固めさせて首相撲から右ヒザ、続けて同軸の右ストレート! 打ち抜かれたダリウシュが後方に倒れ、ツァルキヤンがパウンド、レフェリーが間に入った。 試合後、ツァルキヤンはダニエル・コーミエーのケージの中でのインタビューで「この結果は予想していた?」と問われ、「もちろん、KOするつもりだったから。僕はこの試合を判定結果にするつもりなんかなかった。絶対いい試合をして絶対にフィニッシュして家に帰るんだって、心に決めていた。そしてタイトル戦を手にするんだって。(KO勝ちに)自分はレスリングもできるしグラップリングもできてストライキングもできる。今日はKOの日だ!」と語ると、対戦相手のダリウシュに感謝の言葉を述べた。 「ただ、とにかくダリウシュに感謝したい。ダリウシュは自分にとって、この階級で最も敬意に値する選手。ユーモアもあるしすごく人間味があるというか、人としてとっても素晴らしい人なんだ。自分と戦ってくれたことに感謝してる、だって何しろ、誰も自分とはやりたがらなかったんだ。そんな自分と対戦してくれて本当にありがたく思う」 続けて、今後について「こうしてトップ4を倒したからには、ナンバー2、3とやりたい。次の試合は、タイトル戦の前哨戦でなくては、もう1試合、タイトル戦の前にやったら、チャンピオンに挑戦したい。(現王者マカチェフとの前戦について)彼はレベルが違うところにいるファイターだけれど、22歳だった僕は27歳になって、こうして自分の実力をつけて証明してきて、次の試合は違うものになる。彼をKOしてみせる。それはもう素晴らしい試合になるだろうと思うよ」と、マカチェフとの再戦について語った。