FRBは年内3回の米利下げ見通し堅持へ-エコノミストが調査で予想
(ブルームバーグ): 最近発表された米インフレ統計は予想を上回る伸びとなった。だが、米金融当局者が昨年12月に示した2024、25両年の利下げ回数の見通し(それぞれ中央値で3回と4回)を最新の四半期経済予測で変更する公算は小さいと、エコノミストはみている。
ブルームバーグ・ニュースが8-13日にエコノミスト49人を対象に実施した調査によれば、連邦公開市場委員会(FOMC)は19、20両日の会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5会合連続で5.25-5.5%に据え置く決定を下す見通し。
回答したエコノミストの過半数は、当局者が今年3回以上の利下げ見通しを示すと予想。一方で、回答者の3分の1強は2回以下の利下げ見通しが示されると見込んでいる。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる当局者が示す最新予測のうち、24年の実質GDP(国内総生産)伸び率は中央値で年率1.7%と、12月の前回予測(1.4%)から上昇修正され、当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数の伸びも2.5%と前回予測の2.4%から引き上げられるとエコノミストは予想する。
ネーションワイド・ミューチュアル・インシュアランスのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「FOMCが今年のインフレ見通し中央値を小幅上方修正するとわれわれは予想する一方、マクロないしインフレ予想に大きな修正は見込まれない」と指摘する。
その上で、最近の統計でしつこいインフレが示されたことで、「近いうちの利下げにゴーサインを出すことに対し、パウエル議長の消極姿勢は強まると考えられる」と話した。
パウエル議長は今月の議会証言で、インフレ率を当局目標の2%に向けて押し下げる取り組みで前進を遂げていると述べるとともに、最初の利下げの前に「もう少しだけ証拠」が必要だと説明。「それからは遠くない」と話した。
パウエルFRB議長、利下げ開始は「遠くない」時点に確信へ