江戸時代のラッキーアイテム 「人頭蛇身」の絵馬 一般公開始まる
鹿児島放送
ヘビ年の今年、南九州市ではヘビにまつわる“福の神”の絵馬が注目されています。9日から一般公開が始まり、話題を集めそうです。 古びた木製の絵馬。よく見ると実に不思議な図柄です。頭は人で、ちょんまげと顎ひげが。胴体はトグロを巻いたヘビ、キツネが走る姿も彫られています。 稲荷神社にちなむ“宇賀神”という財をもたらす『福の神』の姿だといいます。 (南九州市文化財課 新地浩一郎さん) 「昔はキツネやヘビは穀物を食べ荒らすネズミを退治する益獣と考えられていたので、その古い信仰が残っている。少なくとも南九州市では江戸時代の絵馬は確認されていないので。 絵馬というほどなので普通絵で描くが、彫刻してあるのも珍しい」 絵馬が納められているのは南九州市頴娃町の中村稲荷神社。田畑を見下ろす高台の中腹にある小さな社です。 15年前に改築した際、天井裏で見つかりました。裏には約280年前の江戸時代に、指宿の枚聞神社の神官が奉納したことが墨書きされていました。 こちらは1960年頃の神社の写真。当時は茅葺きの社で、15年前の改築は全て住民の手で行いました。 (南九州市・中村自治会 上窪 友和会長) 「この神社は記念碑にあるように、平成22年に、建設業者ではなく地域の人がみんなでつくりあげたということで、色んな方が“スゴイな”と見に来てくれる」 中村稲荷の境内にはコンコンと水が湧く泉があります。 市の有形民俗文化財にも指定され、過疎化が進む中、地域で手入れを欠かさず、大切に守り継いできました。 (南九州市・中村自治会 上窪 友和会長) 「中村(地区)にとっても大事な神社ということでみんなで守っていきたい」 (Qそれだけこの神社は住民の寄り所?) 「そういうことですね。はい。」 12年に一度巡り来るヘビ年。市内にあるミュージアム知覧では、9日からこの絵馬を一般公開しています。珍しい江戸時代のラッキーアイテムを拝みに行ってみてはどうでしょうか? (南九州市・中村自治会 上窪 友和会長) 「(初詣客は)今年は多かった。いつも以上に多かったと思う。(今年は)平和で何事もなく、明るく過ごせたらいいなと思ってます」 (南九州市文化財課 新地 浩一郎さん) 「地域で大事にされてきた文化財なので、他の地域の方にもぜひ見ていただきたいと思っている」