リユース市場 物価高も影響し規模拡大 売る人と買う人 それぞれの思いは…
日テレNEWS NNN
物価高の影響もあってか、今、リユース店が盛り上がりを見せています。市場規模は10年前の2倍以上にもなっていて、買い取り店を取材すると、時代を反映したお客さんの事情やお得な利用法も見えてきました。 ◇ ――めっちゃありますね 子ども服を売りにきた主婦 「ほとんど洋服です」 1台のカートに積みきれないほどの子ども服を持ってきた女性が訪れていたのは、埼玉県にある買い取りなどを行うリユースの専門店です。持ち込んだのは娘の成長の証しとも言うべき“思い出の品”、サイズが合わなくなった、たくさんの子ども服です。その数は約100点にのぼります。 子ども服を売りにきた主婦 「ひとつひとつ、これあのとき着たとか覚えてて。感慨深いというか、思い出しちゃう」 後ろ髪を引かれる思いで買い取りカウンターへ向かうも―― 店員 「今からですと査定時間が2時間…」 子ども服を売りにきた主婦 「2時間!?」 平日なのにオープン直後から買い取りカウンターには行列ができていました。品数が多いため、2時間待ちの女性とはのちほど合流する約束をして、ほかのお客さんが持ち込んだものを見せてもらいました。 売りにきた20代・学生 「これ昔、自分がやっていた格闘技関係のミット」 小学校のころ通っていた極真空手のミット。 売りにきた20代・学生 「(使っていたのは)小学校のころ。でも入ってからちょっと後悔」 ――なんで? 売りにきた20代・学生 「痛くて怖いから」 苦い思い出とも25日でお別れ、と思いきや―― 店員 「当社の基準で見させていただいて、お返しという形に」 査定額がつかず、苦い思い出が戻ってきてしまいました。 売りにきた20代・学生 「もう1回押し入れですかね」 “珍品”を持ち込む人はほかにもいました。 売りにきた40代 「キューピー人形です。子供がちょっと怖がる」 両親が勤めていた食品会社の人形を買い取りにもってきていました。 売りにきた40代 「あとはモニターと」 ――仕事で使っていた? 売りにきた40代 「仕事で使っていたやつですね、在宅(勤務が)もうないので」 これも時代の変化か。リモートワークのため3年前に購入したパソコンのモニターを処分していました。人形は1セット500円、モニターは1800円の査定額がつきました。 ◇ リユースの市場規模は年々拡大していて、去年は10年前の倍以上となる約2兆9000億円になっています。さらに、2030年には4兆円にのぼると予測されています。 急成長の背景のひとつにあるのが、終わりの見えない物価高です。買い取り客ではなく、買い物客は―― 買い物しにきた60代 「すごく安い。300円くらいするのが128円。安いですよね」 大量に仕入れたため安く販売ができるという新品の歯ブラシ見つけて、大興奮していました。中古の服やはんこ入れなど日用雑貨合計8点を購入しました。 買い物しにきた60代 「1108円。読み通り、すごいな」 ――これも主婦の技ですか? 買い物しにきた60代 「技です。で、楽しんで。楽しむのも大事」 楽しみながら家計防衛をするリユース店の活用方法もありました。 ◇ そしてオープンから2時間あまり。子ども服を買い取りに出した女性が戻ってきました。いざ迎える緊張の瞬間―― 子ども服を売りにきた主婦 「1836円になりました」 買い取り査定額は、子ども服など100着で2000円に届きませんでした。 子ども服を売りにきた主婦 「(査定の間)ずっと写真を見ていたんですけど、やっぱりとっておけばよかったと思っちゃいました。思い出しちゃって」 後悔もありましたが、手放すことを決めました。 その代わりに―― 子ども服を売りにきた主婦 「娘のものなので、お肉買って、焼いてあげようかなって。1800円なのでそこそこのいける。A5はちょっとあれですけど」 25日の夕飯にはいつもより高級なお肉を奮発。 娘 「うま!!!」 堪能したようです。 昔の思い出を売って新しい思い出をつくれるのもリユース店の魅力かもしれません。