若い力でマチを「盛り上げ隊」 福島学院大生ら結成 企画で活気づくり 商店主らと連携広がる
県都の中心市街地活性化に若者が立ち上がった。福島市の福島学院大生らが「まちなか盛り上げ隊」を結成。季節に応じた企画を商店主らと連携して展開し、活気あるまちづくりを進める。地元のパン工房などが趣旨に賛同し、協力の輪が広がる。市中心部は再開発事業の見直しや大型商業施設の撤退決定など大きな課題を抱える。メンバーは「世代や障害の有無を超えて誰もが笑顔になれるまちをつくりたい」と夢を描く。 まちなか盛り上げ隊は福島学院大の学生有志12人が中心。JR福島駅東口に店舗を構えるパン工房や地域の子ども食堂運営関係者らも共感し参加している。学院大はキャンパスの一つが駅東口にある。自分たちが学ぶまちがにぎやかで楽しい場所であってほしいと、活動を始めた。 昨年末に最初の企画としてパン作り教室を開いたところ好評だった。今月から活動を本格化し、27日には2回目のパン作り教室を開催。会場となった「まちなか夢工房」には子どもたちの声が響いた。協力した夢工房の島田久美子さんらも笑みを浮かべた。
隊結成の原点は福祉心理学科3年菅原あかりさん(21)の思いにある。菅原さんは子ども食堂支援など、さまざまなボランティアに取り組む中で、地域全体を輝かせたいと考えるようになった。「誰もが楽しめる地域に」との情熱を友人やボランティアで知り合った人たちに伝えると、協力を申し出てくれた。 駅東口は現在、再開発のための大規模な工事が進んでいる。ただ、市民からは「昔に比べ、活気が失われた」との声が聞かれる。まちに人を呼び込むため、家族連れで出かけられる機会を地域の人と一緒に創出するのが隊の目標だ。2月以降も季節に合わせた企画を繰り広げる予定だ。共に活動してくれる人がいれば歓迎だという。 小学1年の長男と27日のパン作り教室を訪れた市内の主婦西山大子さん(40)は普段、郊外のスーパーなどで買い物を済ませている。「イベントを通して中心部のお店の存在を知れた。こうした機会があればまちなかに遊びに来ようと思う」と話した。