「銭湯の聖地」救ったのはカリスマ京都大生 掃除サークル再建、店主助ける 「風呂は命の洗濯よ」
活動への共感は京都を超えて広がる。看板商品「イヨシコーラ」を「湯上がり後の新定番」とうたい、6月23日には東京都内の各銭湯で変わり湯「イヨシコーラの湯」を開くなど、浴場との連携に力を入れる伊良コーラ(東京都)が応援に名乗りを上げたのだ。コーラを提供し、イベントも構想する。藤原直人さん(30)は「銭湯に興味を持つ人が増える活動をしてほしい」と期待を込める。 左京区の繊維製造会社「TKC合同会社」からは、風呂をテーマにしたTシャツやバッグの寄贈も受けた。 今夏には、伝統文化の盛り上げにも一役買う。京都府舞鶴市の銭湯で合宿し、掃除を手伝い、地元の火祭りにも関わるという。多種多様な試みを通じ、銭湯にも地域にも入り込んでいく。 3代目として順調な滑り出しに見えるが、「始めは勢いがあるもの」と分析する。その上で「継続できるシステムをつくりたい」と頭をひねる。 京都市内の銭湯は、竹林さんが入学した19年に約100軒だったのが、24年春には約80軒となった。店主の高齢化と施設の老朽化など、展望は明るいとは言えない。銭湯が減っていく様子を目の当たりにするだけに、「人数が集まったので、東山湯温泉だけでなく、他の銭湯も手伝いたい。僕たちを必要とする人がいれば何でもしたい」と話す。 京都の銭湯文化にどっぷりつかり、その一翼を担っていくため、鍛えられた筋肉と頭脳を生かしていく。「僕は銭湯のある町にしか住めないので、京都を出られる気がしない。銭湯を支える一助になっていきたい」と言葉に力を込める。