熊本県八代市の地図

　衆院選の投開票が27日に迫る中、もう一つの“総選挙”で熊本が注目を集めている。八代市の温泉地・日奈久地区の公認キャラクター「ちくワン」が、ゆるキャラの日本一を決める「ゆるバース」のオンライン投票（9月26日～10月26日）で暫定1位となった。海外でも人気の県のPRキャラクター「くまモン」に続く王者誕生に向け、期待が高まっている。 【写真】「ちくワン」とゴリけんさん 　ちくワンは、日奈久出身のお笑い芸人で八代よかとこ大使のゴリけんさん（50）と所属事務所スタッフが9年前、地元名物の「日奈久ちくわ」と犬を掛け合わせてキャラクター化。まちをかつてのように盛り上げようと、ちくワンが温泉街や古里の特産品を紹介する動画をユーチューブなどで配信してきた。 　ゆるバースは「ゆるキャラグランプリ」（2011年～20年）を衣替えし、昨年から開催されている。自治体や企業、学校などのキャラクターが人気を競う。ちくワンは初めて出場した昨年は着ぐるみがなく、イラストだけでのPRだったにもかかわらず、全国の約210体の中で8位と健闘した。 　ゴリけんさんらは「今年こそ1位を」と2～3月、クラウドファンディングで寄付を呼びかけ、目標の100万円をはるかに超える244万円を調達して着ぐるみを製作した。6月には日奈久地区の住民でつくる「湯の里日奈久振興会」がちくワンをご当地キャラクターとして公認した。 　今年のゆるバースはオンライン投票と、11月2、3日に石川県で開催するイベントの会場投票との合計点で順位が決まる。オンラインは公式サイトで1人1日1回投票でき、順位が公表されていた22日までは、ちくワンがトップを快走していた。 　ちくワンとゴリけんさんは9月中旬、八代市役所を訪れ、中村博生市長に投票率アップへの協力を要請。ゆるキャラグランプリの初代王者にはくまモンが輝いており、ゴリけんさんは「熊本から2度目のチャンピオンを目指したい」とアピールした。中村市長は「ちくワンだからナンバーワンがいい。1位になれば市公認キャラクターにする」と「公約」した。 　ちくワンとゴリけんさんは投票期間中、九州各地を回って票の掘り起こしを図るという。　（古川剛光）