山時聡真が体現する青年から大人への変化 “声”の名演は『君たちはどう生きるか』でも
『最高の教師』『マルス』で同世代と切磋琢磨する山時聡真
また、妃奈から借金があることを告白され、「なんで相談してくれなかった!?」と返すその声は、勢いと、どうにか自分の思いを相手にわかってほしいと願う情熱があり、その一方でうまく伝わっていないような気がする焦りも含んでいた。眞人の声を青年の始まりとするならば、賢成の声は、青年と大人の狭間で苦悩しているようだ。たとえ声だけを聞いたとしても、眞人と賢成を同じ人が演じているとはとても思えないほど、全く違う声であることに驚いてしまう。 『君たちはどう生きるか』に出演後、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(2023年/日本テレビ系)や本作のような学園ドラマへの出演が続いている山時。これは、同世代の俳優たちと切磋琢磨しながらスキルアップ中であると考えることもできる。山時は今、さらに演技の幅を広げ、飛躍しようとしている。彼の活躍から目が離せない。
久保田ひかる