”飛ばしの論文”作成現場で発見! 回転速度は「足裏の使い方」で上がる
TPIのゴルフとフィットネス、ジュニアのレベル2を所持し、多くのプロや予備軍を指導する坂井昭彦コーチ。研究者肌である坂井コーチは今、東洋大学理工学部の一川大輔教授とともに“飛ばしに関する論文”作成の準備中だそう。今回、ドラコン選手のデータ取りをするという連絡を受け、週刊編集部のレッスン担当が潜入した。
測定が行われたのは、宇都宮にある「The蔵ssic」。現場へ到着すると、すでに準備をしている最中で、スウィング解析システム”ギアーズ”で体やクラブの動きを、測定器”フライトスコープ”でクラブや弾道を測定するそう。
被験者は最長438ヤード、”ドラコン界のメカゴジラ”
計測の対象として現場へ来たのは、国内で数々の戦績を挙げ、日本代表としてアメリカの「世界ドラコン選手権」に何度も出場している田澤大河さん。準備を終え、ウォーミングアップで数球打つと、キャリー300ヤード超えを連発……。
いざ計測! しかし予測不能の事態が連発
アップを終え、いざ計測! 1球ごとにドロー・ストレート・フェードを打ち分け、弾道データやクラブデータを測定しつつ、そのとき体がどのように動いたかを計測。しかし2、3球ごとに、クラブ挙動を計測するためクラブヘッドに着けた端子が吹き飛んでいく……。
ちなみに収集した50球のデータのうち、最高はキャリー387ヤード。ほかにキャリー350ヤード超えが数多くあったが、いずれも「フェード」だった。スピン量を見ると、ドローは平均1000回転未満で、フェードは1300回転前後。「おそらくドローはスピン量不足で十分なキャリーをえられなかったのだと思います」と坂井コーチ。
足裏にかかる”圧”を測定したら、意外な事実が見えてきた
次に足裏の圧を測定する”ボディトラック”を使い、どのように体重移動しているかを計測。すると意外な事実が見えてきた。
「インパクト前後で一度左に乗った体重が右へ戻るのは、極限まで回転速度を上げるためのドラコン選手特有の動きの1つ」だと坂井コーチ。「それよりアマチュアが参考にしていただきたいのは、切り返しで左足を踏み込む際、必ず右かかとから左つま先へと体重が移動するということです。この動きが骨盤の回転をさらに加速させ、ヘッドスピードを上げてくれます。田澤さんはインパクト後に体重を右へ戻すことでスピードを上げていますが、通常のゴルファーであれば、インパクトからフォローにかけて、左つま先の体重が左かかとへと移動していきます」