倉本聰、本木雅弘、小泉今日子「大人っぽくて深いテーマ」 映画『海の沈黙』富良野インタビュー
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倉本聰さん(89)が原作・脚本を務めた新作映画『海の沈黙』。主演の本木雅弘さん(58)、小泉今日子さん(58)、そして倉本さんの3人にインタビュー。今回特別に北海道・富良野にある倉本さんのアトリエで映画の秘話などを語ってもらいました。 【画像】倉本聰さん「常に心の中にある言葉」
■倉本聰、36年ぶりの新作映画
構想60年。倉本さんが「どうしても書いておきたかった」と力を込める物語『海の沈黙』が映画化(配給:ハピネットファントム・スタジオ)。本木さんが主人公の孤高の画家を、小泉さんが元恋人を演じます。美とは何か、権威とは何か。1枚の“贋作”(がんさく)から浮かび上がる人間模様、大人のラブストーリーを通して、“本当の価値とは何なのか”を現代に問いかけます。
■本木雅弘、倉本作品に初参加
本作が倉本作品へ初参加となった本木さん。事前に電話で倉本さんへ確認したことがあったそうで、「倉本さんの作品の中で定説となっている『語尾を一字一句 書いてある通りにセリフは言う』。そういうことでよろしいんでしょうかと確認したときには、『心情に沿っていれば多少あなたの感じるままに変えてもいいんですよ』と、それだけで少し安心した」と振り返りました。
■本木&小泉、32年ぶりの共演
小泉さんが本木さんについて「遠い親戚みたいな感覚なんですね。会うっていうのはないもんね。連絡取り合うこともほぼないもんね」と話すと、本木さんは「私が友達がいないタイプなので」と告白。そのタイプを守ってあげたいという小泉さんは続けて「同じ職業アイドルから出てきて、この年まで頑張ってる唯一の同志的なところがある」と心の絆を明かしました。
■役者同士の“化学反応”が多かった
倉本さんは「外国の演技術で『ケミストリー』ってよく言うでしょ。化学反応。この2人の役者が出会ったときに、どういう化学反応が演技の上で起こるか。それを僕ものすごく気にして見ていたのね。それがすごくあったよね」と語りました。
■映画を通して問う“本当の価値”
小泉さんは「ものの価値、美しいと思うものだとか、そういうものは誰が決めるのっていう。自分で本当は決めることだけど、今の時代だと情報だとか誰かが付けた値段とかで左右されちゃう。この映画で倉本先生が書かれていることって、それに対してのエクスキューズな気がした。すごく大人っぽくて深いテーマのすてきな映画だと自負しています」と思いを込めました。
本木さんは「捉え方は様々でいいと思う。世の中で自分が生きていくって作為的なことだらけですけど、どれだけ理解して自分の価値観とか基準を決めていけるのかということには、すごく繊細に向き合っていかなきゃいけない」と語っていました。