『怪獣8号』“カフカ”で初主演を務める福西勝也 “ミナ”瀬戸麻沙美の空気感に「すごく助けられました」
■福西、瀬戸の空気に「助けられました」 ――お互いのお芝居についてはどんな印象をお持ちですか? 福西:麻沙美さんのお芝居って、言葉の一つひとつが美しくて、心にズドンとくるんです。麻沙美さんの凛(りん)としたお芝居と声を受けると、自分にも熱がこもるというか。バフをかけてもらっている感じがします。 瀬戸:福西さんは細かいところまで拾ってくださるイメージがあって、引き出しがすごく多い。どんなオーダーがきても「じゃあこのパターンでやります」と対応できる方なので、恐らく相当準備をしてきているのだろうなと感じました。 福西:勢いの男だと思われがちなんですけど、実は準備をしっかりするタイプで(笑)。見抜かれていました。 瀬戸:現場で一緒になったメンバーはみんな同じことを感じていると思いますよ! ――アフレコに臨むにあたって、どのような準備をしましたか? また実際の現場の雰囲気も教えてください。 福西:私は外画の吹き替えでマイク前に立っていた経験のほうが多く、アニメーションでは初めて主人公を演じました。そこに対する不安は正直あったのですが、いざ現場に入ってみるとすごく柔らかい雰囲気で! 皆さんがあたたかく迎え入れてくださいましたし、一人の役者として接してくださったんです。だからこそ、経験は少ないけれど、プロとしてマイク前に立ってきたプライドや自信を持って演じればいいんだと思えました。 瀬戸:隊長であるミナは、これから防衛隊に入るカフカたちとは立ち位置が少し異なる存在です。加えて、ミナは途中からじわじわと出番がある感じだったので、皆さんが作った現場の空気感に「お邪魔します」くらいの感じでいようと思いました。自分からコミュニケーションを取るというよりも、空気を見てそれにフワッと混ざっていけたらいいなって。最初の頃は様子を探りながら現場入りしていましたね。 福西:個人的には麻沙美さんがフワッと入っていただけたことが、落ち着ける要因にもなっていて。自然体でいてくださったことが、すごく助けになりました。 瀬戸:そう言ってもらえてよかったです(笑)。ですが、あまりお節介なことはしないようにしようとは思っていました。 ――お節介、ですか。 瀬戸:私自身過去に、先輩に声をかけていただいて助けられたことがたくさんありました。それを返していきたい、自分も声をかけてあげたいという思いはあるんです。でもそれって、人によってはプレッシャーになっちゃうこともある気がしていて。誰彼構わずではなく、場所と人を選ぶことが大事だと私は感じているので、今回は様子を探りながら現場の空気に溶け込めればと思っていました。 福西:みんな、いい意味でリラックスして自分でいられた気がします。 ――そういう雰囲気が作品にも乗っている。 福西:そうなっていればいいな、伝わればいいなと思っています!