20年間で10倍、大幅増の豪州LNG輸出 環境団体から反発も
オーストラリアで近年、天然ガス田開発が進み、液化天然ガス(LNG)の輸出が20年間で10倍に増えている。天然ガスは石炭に比べると燃やした時の二酸化炭素排出量が半分程度。豪政府は地球温暖化対策の「移行燃料」としてアジア地域を中心に売り込んでいく方針だ。 【写真とグラフで】空前のLNG輸出ブームに沸く豪州西部 豪北西部ピルバラ地区では5月下旬、豪資源大手ウッドサイド・エナジー社のLNGプラントの拡張工事が進んでいた。同社は約430キロ沖で新たなガス田を開発しており、精製施設を拡張して26年から稼働させる計画だ。 豪政府は先月「ガス将来戦略」を策定した。ガスは「2050年以降も重要なエネルギー源であり続ける」と明記し、長期的に利用し続ける方針を鮮明にしている。 一方、ガス田開発には、環境団体をはじめ豪市民の間から反発も出ている。環境団体・西オーストラリア自然保護協議会(CCWA)のリチャード・イン代表は「ガス開発拡大は『炭素爆弾だ』」と厳しく批判。CCWAなどは抗議活動を続けている。【オーストラリア北西部ピルバラ地区で平野光芳】