【福原直英の福を呼ぶ馬】ドウデュースの末脚は武豊の「パートナーを信じ切る力」
ジャパンC翌週のグリーンチャンネル「競馬ブロス」には、杉山晴紀調教師にご登場いただきました。 33歳で調教師試験に合格し、昨年はリーディングトレーナーに。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの人が競馬にのめり込んだきっかけは1996年の菊花賞。ダンスインザダークが皐月賞(不出走)、そして日本ダービー(フサイチコンコルド!)のうっぷんを晴らす勝利を飾りました。あの日大きなガッツポーズを見せた武豊騎手は「騎乗依頼をするのも畏れ多い」存在。武豊=杉山晴紀コンビは開業以来16回しかないというのも納得(?)です。 杉山晴厩舎で今年一番騎乗回数が多いのは西村淳也騎手、次いで松山弘平騎手ですが、もうひとり、この人を忘れるわけにはいきません。今週末のチャンピンズCにガイアフォースとともにゲートインする長岡禎仁騎手です。普段から調教を多くつけていて「うちの厩舎と合っている」と思える存在だそう。この大舞台も継続騎乗で挑むことになりました。 今の競馬シーンは乗り替わりが日常的。GⅠのパドックで初めてその馬にまたがるケースも少なくありません。そんな状況でも騎手たちは1つでも上の着順を目指して万全の準備で臨んでいることでしょう。そこから「パートナーを信じ切る」ところまでいけるのかどうか。天皇賞に続いてジャパンCでも見せたドウデュースの末脚。ずっと乗り続けている武豊騎手だからこその技は、あの日のダンスインザダークにも通じるような…。今年も残り1カ月、互いの信頼がもたらす勝利のシーンを味わえますように。(フリーアナウンサー)