天気が悪い日に歯が痛む 「気圧性歯痛」かも 旅先で症状が出ることも…理由と対策は?
痛みが治まっても放置しない
――痛みが生じた場合、どのように対処すればよいでしょうか。 普段は痛みを感じていなくても、気圧の変化によって、痛みを感じるようになるケースもあります。痛みが出るということは、歯のどこかが悪いというサインです。 かかりつけの歯科医などを受診し、(1)痛みがある場所(2)飛行機に乗った時だけ症状が出たのかどうか(3)症状が何日くらい続いているのか――などについて話してほしいです。口の中を調べて原因が見つかり治療が終われば、気圧の変化があっても歯の痛みは生じなくなります。 歯の根っこにうみがたまってしまった時の治療はやっかいです。根っこの形が複雑になっている場合、根の中をきちんと消毒して、うみを取り切ることは容易ではありません。治療がうまくいかないと再発する恐れがあり、大学病院の根の治療の専門医にお願いすることも少なくありません。 ――こうした痛みが出ないようにする方策はありますか。 定期的に歯科医を受診し、歯の検診を受けてほしいです。口の中を診察したりエックス線撮影をしたりし、日ごろから歯の健康状態を確認していくことが大切です。毎日、きちんと歯を磨けているかどうかもチェックできます。万一、むし歯があったとしても、早期に発見できるため、進行する前に治療できます。 梅雨時に気圧が下がったり、夏になって飛行機に乗ったり海や山に出かけたりした際、もし歯が痛んだら、歯の病気が進行している可能性があります。その場合は、日常生活に戻って痛みが治まったとしても、歯科医に相談してほしいと思います。
きたやま・しゅうぞう
2005年、大阪大学歯学部卒。07年、英国キングスカレッジロンドン歯学部大学院留学。09年、東京医科歯科大学大学院修了博士(歯学)。同年~11年、15~17年、東京医科歯科大学大学院う蝕(しょく)制御学分野非常勤講師。14年、香港大学歯学部大学院修了(修士)。15年、ストローマンジャパン株式会社勤務。19年、都立家政南口歯科を開業、22年から医療法人社団千恵会理事長。