土木の実施設計反映 リニア駅前広場「デザインノート」更新 長野県飯田市
長野県飯田市上郷飯沼に整備するリニア駅前広場(6・5ヘクタール)で、市は2019年12月に発行した基本設計の概要版「飯田・リニア駅前空間デザインノート」を更新した。更新は初めてで、22年12月に公表した土木実施設計の内容を反映。概要版は出前講座や地区説明会などに活用し、駅前空間の考え方について理解を深めてもらうとする。 駅前空間の平面図や交通、交流・コミュニティー、環境に関する内容ごとに整理し、それぞれの機能をまとめた。表紙のデザインは、駅前広場に設置する木造の「大屋根」を連ねて日本列島をイメージした。 実施設計によると、多目的広場を駅の南北に配置し、うち北側は4500平方メートル、南側は7000平方メートル。高架下を挟んで南北にできる交流広場は1万5000平方メートルとなる。駅南側には9000平方メートルのコミュニティー広場も計画する。 南北の交通広場エリアから高架下までの歩行者ルートを中心に大屋根を配置。乗降場から雨にぬれずに高架下空間へ行けるよう天候バリアフリーを確保する。 モビリティーに関する技術革新のスピードを見据え、将来の変化に柔軟に対応できるような可変性を備えるとして、地下式調整池の上部をレンタカーやカーシェアリングのスペースにすることも視野に入れる。 駐車場を5カ所に設置し、駐車台数は全体で500台。駐車場、多目的広場、コミュニティー広場について、自然が持つ多様な機能を持続可能な社会の基盤に生かす「グリーンインフラ」の観点を取り入れて整備する。 リニア整備課によると、大屋根の設計業務に着手しており、25年度の建築工事着手を目指す。