ピーク時は7店舗が軒を並べた…伊佐の「ラーメン街道」で愛され続けて45年、老舗「宝島」が惜しまれつつ8日閉店
伊佐市菱刈花北で45年営業する「ラーメン宝島」が8日閉店する。花北周辺の国道268号沿いは、ピーク時にラーメン店が7軒ほど立ち並んだ通称「ラーメン街道」と呼ばれ、老舗の一つだった。店長が高齢になり、体力的にきつくなったことから閉店を決めた。地域で長く親しまれた店だけに、常連らが連日訪れ、別れを惜しんでいる。 【写真】45年間地域に愛され続けたラーメン宝島の「ラーメン(大)」=4日、伊佐市菱刈花北
久木元健一店長(76)が1979年11月に開業。店名は亡き母・初子さんが命名した。豚骨と鶏ガラをベースに、甘めのしょうゆダレを合わせたスープが特徴だ。飲食店が少なかったオープン当時は客が押し寄せ、出前をしていなかったのに客が店まで丼を取りに来たという。バブル期は年間約4万5000食売り上げた。5年ほど前までは食材の多くを自家栽培していた。 久木元店長が8月に閉店の意思を示したところ、常連客から「やめないで」と懇願された。「長く愛され、感謝している。最後にお別れができてよかった」と話す。 同市大口小木原の隈元新さん(74)は月2回の頻度で来店しており「スープは濃厚なのにさっぱりして忘れられない独特の味」。閉店後、街道でラーメンを提供する店は1軒になり、「食の多様化で、店が減ってさみしい」と惜しんだ。営業は午前11時半~午後2時(ラストオーダー)。
南日本新聞 | 鹿児島