再起戦で判定勝ちした阿部麗也

プロボクシングの58キロ契約10回戦が18日、東京・後楽園ホールで行われた。WBC世界フェザー級8位の阿部麗也（31）＝KG大和＝が、川本響生（21）＝吉祥寺鉄拳8＝に3－0の10回判定勝ち。世界初挑戦で敗れてからの再起戦を白星で飾った。 阿部がノーランカーの川本からヒヤヒヤの勝利を挙げ、渋い表情を見せた。10歳年下の川本に格の違いを見せつけるはずが、トリッキーな動きとスピード、うまさに手を焼いた。 「しょっぱい試合をしてしまって、本当に皆さんに申し訳ないです。すみませんでした。何とか勝ち取った勝利。全然満足できないんで、またすぐ練習して精進したいと思います」 2回に左ストレートを2発ヒットし、4回に右フックを当てる。6回には連打で川本に鼻血を出させ、川本は防戦一方に。阿部は攻め続けたが、川本が打たれ強さを見せて立ち続けた。最終10回には右ストレートを被弾してグラつかされ、クリンチで何とかしのいだ。ジャッジは96－94、97－93、98－92で阿部を支持した。 3月に米ニューヨーク州ベローナで、IBF世界同級王者だったルイスアルベルト・ロペス（メキシコ）に挑戦し、8回TKOの完敗。すぐに再起を決意し、パンチングパワーや体の強さを強化してきたが、力み過ぎて硬くなり仕留めきれなかった。 自動車関連の部品などを生産する会社に勤務する〝サラリーマンボクサー〟。世界戦もこの日の試合も「有給」を使って闘った。「天才と言いながら凡人なんで、ちょっとずつ練習して、進化を見ていただけたらうれしいです。またすぐに世界（戦）とは今日の試合では言えない。川本選手は良い選手でした。スキルアップやブラッシュアップをして、また新たな阿部さん劇場の最終章を見せたい」などと語った。 興行は動画配信サービスのU－NEXTで午後5時35分から生配信された。プロ戦績は阿部が31戦26勝（10KO）4敗1分け、川本が10戦7勝（3KO）2敗1分けとなった。（尾﨑陽介）